「自衛隊を辞めてITに行きたい。でも、援護で紹介される求人だけだと、行きたい仕事が見つからない」
そう感じている人は、けっこう多いと思います。
援護(就職援護)は、退職予定者の再就職を自衛隊が支援してくれる仕組みです。
使う人もいますし、合う・合わないの話なので、批判するつもりはありません。
私自身は、自衛隊という組織に退職の後始末まで頼らず自分の足で動きたかったこと、IT職種に絞って最短で実務に入りたかったことから、援護は使いませんでした。
結論から言うと、援護を使わなくても、自分でIT転職することはできます。
私自身、民間の転職サービスを使って、自分でIT企業へ移りました。
大事なのは「動き方」です。
やみくもに1社だけ受けるのではなく、順番とタイミングを決めて動くと、未経験でも内定までたどり着けます。
やまと私はもともと自衛隊で、武器科の車両整備をしていました。
在職中にサイバー大学でITを学び、援護は使わずに未経験のSESへ。年収は100万円ほど下がる覚悟での転職でした。
この記事では、援護を使わずに自力でIT転職するときの、転職エージェントの選び方と動き方をまとめます。
課業外や休日しか動けない、という前提でも進められるやり方です。
そもそも「辞めるかどうか」をまだ迷っている人は、辞めた後どうなったかの実話を先に読んでおくと、判断材料が増えます。


援護を使わず自力でIT転職するなら、まず複数のエージェントに同時相談
最初の一歩は、転職エージェントに登録して相談することです。
ここで大事なのは、1社だけでなく複数に同時に登録すること。
エージェントによって、持っている求人も、担当者との相性も違います。
1社だけだと、その担当者の「当たり外れ」に転職全体が左右されてしまいます。
20代で未経験なら、第二新卒や既卒に強いエージェントが相談しやすいです。
登録も相談も無料なので、まずは現役のうちに「今の自分でどんな求人を狙えるか」を確認しておくと、辞めるかどうかの判断材料にもなります。
在職中に動くメリットは、収入が途切れないことです。
焦って決めなくていいので、「ここだ」と思える会社が見つかるまで、落ち着いて比べられます。
私自身、退職の1年以上前から、在職中にエージェントとゆるくやり取りしていました。
「いつ動いてもいい状態」を先に作っておいたので、辞めると決めたときにすぐ動けました。
\ 20代・第二新卒の相談に強い /
結論:前半で広げ、後半で絞る。年収より最初の経験値
- 複数エージェントに同時登録して、求人と担当者を比べる
- 前半は幅広く受け、後半で志望度の高い会社に絞る
- 面接は課業外・休日にまとめて入れる
- 未経験のうちは年収より「教育環境」で会社を選ぶ
この4つを押さえれば、援護を使わなくても、自力で内定までたどり着けます。
未経験の最初の会社は、年収よりも「次につながる経験が積めるか」で選ぶ。ここがいちばん効いてきます。
順番に説明していきます。
援護を使わない転職の進め方(課業外・休日でどう動くか)



課業もあるし、休日も訓練でつぶれることがあります。
そんな状態で、転職活動なんて回せるんですか?



回せますよ。私もフルでは動けませんでした。
でも、やることを絞れば在職中でも進みます。むしろ給料が途切れない分、焦らずに選べるんですよね。
複数エージェントを同時並行で使う
まずは2〜3社に登録して、それぞれの担当者と話してみます。
同じ「未経験OKのIT求人」でも、エージェントによって出てくる会社が違います。
私も、辞めると決めた直後に3社のエージェントへ同時に相談を申し込みました。
履歴書と職務経歴書を整えて、複数の求人を一気に見比べると、相場感も早くつかめます。
複数使うと、こんなことが見えてきます。
- 提示される年収の相場(自分の市場価値の目安)
- 未経験で受かりそうな職種(SES・社内SE・サポートなど)
- 担当者との相性(自分の話をちゃんと聞いてくれるか)
組み合わせの目安はこうです。
20代・未経験なら、第二新卒や既卒に強いエージェントを1〜2社。これに、IT業界にくわしいエージェントを1社足すと、求人の幅と専門性のバランスが取れます。
多すぎても管理しきれないので、最初は2〜3社で十分です。
合わない担当者だと感じたら、無理に続ける必要はありません。複数登録しておけば、いつでも「主に使うエージェント」を切り替えられます。
登録したら、最初に希望条件を伝えておきます。
「未経験からIT職に行きたい」「勤務地はこのあたり」「客先常駐か自社開発か」など、分かる範囲で言っておくと、的外れな求人が減ります。
担当者は、合わなければ変えてもらえます。
遠慮はいりません。相性の良い担当者に当たると、求人の精度も、面接の通りやすさも変わってきます。
前半は面接を詰め込み、後半で志望企業に絞る
転職活動は、前半と後半で動き方を変えます。
前半は幅広く受けて場数を踏み、後半は本命に絞って準備を深める。この順番が大事です。
最初から本命だけに絞らず、少しでも気になる会社は受けてみます。
面接は場数です。最初の数社で「よく聞かれること」「自分が答えづらいこと」が分かってきます。
課業外や休日にまとめて入れると、効率よく場数を踏めます。
何社か受けると、「ここは合いそう」「ここは違う」という感覚が出てきます。
その感覚を、エージェントの担当者に正直に話します。
そうすると、次に紹介される求人の精度が上がっていきます。
後半は本命に絞り、教育環境・配属・案件の中身を具体的に確認します。
「未経験にどんな研修があるか」「最初の配属はどこか」を聞いておくと、入ってからのギャップが減ります。
気になることは、エージェント経由で遠慮なく質問してもらえます。
私は、複数の内定をもらってから1社に絞りました。
内定を手にしてから退職を切り出せたので、引き留めにあっても揺らがずに済みました。
課業外と年次休暇で回す動き方
「平日は課業、休日は訓練や用事で埋まる」という人でも、やることを分ければ回ります。
たとえば、こんな組み方ができます。
- 平日の夜:エージェントからの連絡に返信し、気になる求人をチェック(15〜30分)
- 平日の年次休暇:オンライン面接を1〜2件まとめて入れる
- すきま時間:志望動機と「自衛官経験の言い換え」をスマホのメモに書きためる
ポイントは、面接を1日にまとめること。
あちこちの日に散らすより、休日の半日に詰めたほうが、課業への影響を抑えられます。
面接は、どうしても平日になります。
そのときは、年次休暇を計画的に使えば対応できます。「平日に動けるのはこの日」とエージェントに伝えておけば、その日に面接を寄せてもらえます。
日程調整は、エージェントが代わりにやってくれます。
「動けるのは休日の午後だけ」と最初に伝えておけば、その範囲で組んでもらえます。
やりがちな失敗と、その避け方
自力での転職でつまずきやすいのは、だいたい次の4つです。
先に知っておくだけで、避けられます。
- 1社だけで決める:比較できず、年収の相場も担当者の質も分からない。複数登録で避けられます
- 受け身で待つ:紹介を待つだけだとIT求人は出てきにくい。自分から「ITを希望」と伝える
- 年収だけで会社を選ぶ:教育環境がないと、数年たっても武器が増えません
- 準備せず面接に行く:言い換えができていないと、未経験の弱みだけが残る。メモを作ってから臨む
自衛官の経験を、IT向けに言い換える
未経験の転職で意外と効くのが、自衛官の経験をIT現場の言葉に言い換えることです。
「整備をしていました」だけでは、採用する側に強みが伝わりません。
継続力・責任感・現場対応力をどう翻訳したか
自衛隊でやってきたことは、IT現場でも通じる形に置き換えられます。
私が意識したのは、こんな言い換えでした。
- 車両整備の段取り → 作業の優先順位づけ・手順の組み立て
- 後輩・新隊員の指導 → チームでの情報共有・若手フォロー
- 訓練や警衛勤務と両立した学習 → 自走して学び続ける力
- 予定が読めない勤務でも段取りを立てる → 想定外でも止まらない現場対応力
- 装備品・物品の管理 → 在庫や構成の管理、抜け漏れのチェック
- 規律ある生活と体力錬成 → 自己管理、体調を崩さず続ける力
「整備の経験があります」では伝わりません。
でも「段取りを組んで、手順化して、後輩に共有してきました」と言えば、開発チームでも通じる話になります。
職務経歴書も、同じ考え方で書きます。
「車両整備」とだけ書くのではなく、「複数の車両を担当し、点検手順を整理して後輩に引き継いだ」のように、やったことを動作で書くと、IT職の採用担当にも伝わります。
自己PRなら、こんなふうに組み立てます。
「自衛隊では車両整備を担当し、複数の車両の点検手順を整理して後輩に引き継ぎました。限られた時間で確実に終わらせる段取りには自信があります。在職中からサイバー大学でITを学んでいて、入社後も学び続けるつもりです」。
ここまで具体的に言えると、未経験でも「働いている姿」が相手に伝わります。
難しく考えず、やってきたことを順番に書き出すところから始めれば大丈夫です。
採用する側が知りたいのは、「入社後にちゃんと働けるか」です。
未経験でも、段取り・継続・チームで動いた経験を具体的に話せれば、その不安に答えられます。資格や肩書きより、この具体性のほうが効きます。
気をつけたいのは、話を盛らないことです。
やっていないことを「やった」と言うと、面接の深掘りで崩れます。あくまで事実ベースで、表現だけをIT向けに変える。これが言い換えのコツです。



自分の経験を、そんなふうにうまく言い換えられる自信がないです……。



最初は誰でもそうです。
だからこそエージェントに壁打ちしてもらうと早い。自分では気づかない強みを、向こうが言葉にしてくれます。



壁打ちって、具体的にはどんな感じですか?



「整備で後輩を3人見ていました」と話すと、担当者が「それはチームのマネジメント経験として書けますね」と返してくれる。
そのやり取りの中で、自分の言葉が面接で使える形に変わっていきます。
在学中・卒業前に未経験IT転職したときの、もう少し具体的な言い換えと実体験は、別記事にまとめています。


学んでいる内容を、転職のPRに使う
もし在職中に何か学び始めているなら、それも立派なPR材料です。
私は自衛隊にいる間にサイバー大学でITを学んでいて、その学習内容を面接で説明しました。
「未経験です」だけだと、本気度が伝わりません。
でも「在職中からITを学んでいます」と言えると、学び続けられる人という印象につながります。
なぜ自衛官が在職中に通信制大学でITを学ぶといいのかは、こちらにまとめています。


未経験ITの会社選びで見るべき点(教育環境・配属・案件)
未経験の最初の会社は、年収だけで選ばないほうがいいです。
見るべきは、教育環境・最初の配属・任される案件の中身。この3つです。
「とにかく入れる会社」と「次につながる会社」は、似ているようで中身が違います。
未経験だと、最初はSES(客先常駐)の求人が多くなります。
同じSESでも、研修が手厚い会社と、いきなり現場に出される会社があります。だからこそ、中身を確認することが大事です。
| とにかく入れる会社 | 次につながる会社 |
|---|---|
| 未経験を「とりあえず採用」する | 未経験向けの研修・サポートがある |
| 配属や案件は入ってからのお楽しみ | 最初の配属や案件をある程度説明してくれる |
| 年収だけが判断材料になっている | 数年後に何ができるようになるかを描ける |
| 聞いても具体的な答えが返ってこない | 質問に具体的に答えてくれる |
未経験のうちは、目先の年収より「数年後に何ができるようになるか」で選んだほうが、結果的に伸びます。
私も最初のSESは、給料ではなく教育環境とサポートで選びました。
面接やエージェント経由で、こんなことを聞いておくと、入ってからのギャップが減ります。
- 未経験者向けの研修やOJTはあるか
- 最初の配属や案件は、どんな内容になりそうか
- 客先常駐か、自社内での開発か
- 数年後、どんなスキルが身についている想定か
最初の1社で大事なのは、年収の高さより「ここで何が身につくか」。
そこが次の転職や副業の武器になります。
どんな会社が「次につながる会社」なのかは、社内SEを例にした記事でも具体的にまとめています。


※カウンセラーが一緒に考える・無料
援護を使わず自力で動くのが向いている人・援護を使ったほうがいい人
誤解してほしくないのは、援護が悪いわけではないということです。
援護にも自力にも、それぞれ向いている人がいます。
| 自力で動くのが向いている人 | 援護を使ったほうがいい人 |
|---|---|
| ITなど、援護に少ない職種を狙いたい | 紹介された求人で十分・地元で堅実に決めたい |
| 課業外・休日に自分で動ける | 自分で動く時間が取りにくい |
| 年収が一時下がっても挑戦したい | 収入の安定を最優先したい |
| 在職中から学びや準備を始めている | すぐに確実な再就職先を決めたい |
どちらが正解ということはありません。
ITに行きたくて、課業外に少しずつ動けるなら、自力での転職は十分に現実的な選択肢です。
自力の弱点は、相談相手がいないことと、情報が入りにくいことです。
そこを埋めるのが転職エージェント。無料で使えて、求人の紹介から面接対策まで手伝ってくれるので、援護を使わなくても一人で抱え込まずに進められます。
ちなみに、民間のエージェントのほかに、ハローワークなど国の無料サービスもあります。国も若年者の就職支援に力を入れているので、合わせて知っておくと選択肢が広がります。
もし最初がSESの客先常駐でも、つらくなれば社内SEへ抜けられる
未経験からITに入ると、最初はSES(客先常駐)になることが多いです。
私の最初の会社もSESでした。お客さま先に常駐して働く形です。
SESは未経験でも入りやすく、実務の入口としては悪くありません。
ただ、客先常駐は環境が選びにくく、人によっては「思っていたのと違う」と感じることもあります。
未経験の入口でSESが多いのは、研修を用意して人を育てる前提の会社が多いからです。
裏を返せば、未経験でも実務に入りやすいということ。まずはここで経験を積み、次の一手で環境を選び直す——この順番が現実的です。
私自身、SESの客先常駐から、社内側(地方の製造業のDX担当)へ移りました。
一度ITの実務に入っておけば、次は環境で選び直せます。最初の一歩で人生が固定されるわけではありません。
大事なのは、最初の数年でちゃんと実務経験を積むことです。
経験さえあれば、「客先常駐がない会社」「自社で開発できる会社」へ、あとから移る選択肢が出てきます。
「客先常駐がつらい」「社内SEに移りたい」と感じたときは、社内SEに特化した求人サービスを使うと、求人を探しやすくなります。
未経験から実務に入ったあとの「次の一手」として、頭の片隅に置いておいてください。
\ 一都三県・関西・北海道で社内SE求人が豊富 /
そもそも「未経験からITに行くと年収はどれくらい下がるのか」が気になる人は、先にこちらを読んでおくと安心です。


「SESで経験を積んで独立すればいいのでは」と考える人もいます。
ただ、独立を急ぐとリスクもあります。その現実はこちらにまとめています。


まとめ:自力でも、動き方を間違えなければ内定は取れる
- 援護を使わなくても、自力でIT転職はできる
- エージェントは複数同時に使い、求人と担当者を比べる
- 前半は幅広く受け、後半で本命に絞る。面接は課業外・休日に
- 自衛官の経験はIT現場の言葉に言い換える。学習中ならPRに使う
- 未経験の最初の会社は、年収より教育環境で選ぶ
援護に乗るか、自力で動くか。
どちらも選べますが、自力でも、動き方を間違えなければ未経験から内定は取れます。
まずは現役のうちに、無料で相談して「今の自分でどんな求人を狙えるか」を見ておく。
それだけでも、辞めるかどうかの判断材料がそろいます。
私も、最初の一歩は「相談してみる」だけでした。
そこから少しずつ動いて、未経験でもITの現場に入れました。動き方さえ間違えなければ、自力でも道はひらけます。
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