製造業の現場から、未経験でITに移りたい。そう思って勉強を始めると、最初にぶつかるのが「知らない言葉が多すぎて、どこから手をつければいいか分からない」という壁です。
変数、型、API、Git……ネットを開くほど用語が増えて、読むほどに不安になる。
この記事は、製造業から未経験でITに移る人向けに、「結局、何を・どの順で覚えればいいのか」の“地図”を1枚お渡しします。全部は覚えません。
※専門用語には全部「ひとことで言うと」を添えます。むずかしい所は読み飛ばして、あとで戻ってきてOKです。
- IT用語は全部覚えなくていい。最初に要るのはほんの一握り
- 覚えるのは3つの層だけ:①考え方の6用語 → ②4言語で出る現場の共通語 → ③選んだ言語の用語
- 大事なのは暗記より、地図を持って、必要なところから手を動かすこと
用語を覚えるのは“手段”で、ゴールは「未経験でも入れる現場に入ること」です。
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そもそも「IT用語」って、どこまで覚えるの?
未経験がまずつまずくのは、言葉の多さです。でも、現場で全部を一度に使うわけではありません。
新しい工場に配属されたとき、いきなり全機械のマニュアルを暗記する人はいませんよね。
まず1台、目の前の機械を動かしながら、必要な言葉を覚えていく——ITの用語もまったく同じです。
この記事は「全部教える」ことはしません。
代わりに、何を・どの順で覚えればいいかの“地図”をお渡しします。地図さえあれば、迷子になりません。
IT用語は、全部覚えなくていい。
必要なものから、手を動かして覚える。これが遠回りに見えて一番の近道です。
結論:用語は「3つの層」で覚える
覚えるべき用語は、ざっくり3つの層に分かれます。
下の層から順番に積み上げるイメージです。
- 第1層:考え方の6用語… どの言語でも共通の「土台」
- 第2層:現場の共通語… 4言語すべてで出てくる言葉
- 第3層:言語ごとの用語… 1本選んだ言語に固有の言葉
flowchart TD
L1["第1層:考え方の6用語
変数・型・if・for・関数・配列
(どの言語でも共通)"]
L2["第2層:現場の共通語
型付け・OOP・API・DB / SQL・Git…
(4言語すべてで出る)"]
L3["第3層:言語ごとの用語
Java=Spring / PHP=Laravel /
TS=React / Go=goroutine"]
L1 --> L2 --> L3
L3 --> GOAL["『何を覚えればいいか』の地図が完成"]
style L1 fill:#e8f5e9,stroke:#388e3c
style GOAL fill:#e3f2fd,stroke:#1976d2
ポイントは順番です。いきなり第3層(Springなど)から入ると挫折しやすい。
必ず第1層から積みましょう。
「そもそもどの言語から学ぶか」で迷っている人は、先に学ぶべきプログラミング言語とは?を読むと、この3層の話がつながります。

第1層:まず覚える“考え方”の6用語
最初の土台はこの6つだけ。どの言語でも考え方は同じで、書き方(文法)が違うだけです。
1言語で覚えれば、他の言語にもそのまま効きます。
| 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 変数 | データを入れておく「箱」 |
| 型(かた) | データの種類(数値・文字列など) |
| 条件分岐(if) | 「もし〜なら」で動きを分ける |
| 繰り返し(for / while) | 同じ処理をくり返す |
| 関数・メソッド | 処理をまとめて名前をつけたもの |
| 配列・連想配列 | 複数のデータをまとめて持つ入れ物 |
「型」は、図面の寸法公差に近いです。
「ここは数値、ここは文字列」と先に決めておくと、後工程での食い違い(バグ)がぐっと減ります。
第2層:4言語すべてで出る“現場の共通語”
第1層に慣れたら、次はどの言語の現場でも飛び交う共通語です。
ここは「今すぐ全部覚える」ものではありません。こういう言葉がある、と地図に書いておくだけで十分。1本目の言語を進めるうちに、自然と出会います。
| 用語 | ひとことで言うと | 補足 |
|---|---|---|
| 静的型付け / 動的型付け | 型を先に決めるか、動かしながら決めるか | Java・TS・Goは静的/PHPは動的(型宣言も可) |
| オブジェクト指向 クラス・インスタンス | データと処理をひとまとめにする設計 | Java・PHP・TSはクラスあり/Goは構造体+インターフェースで近いことをする |
| コンパイル / 実行 | 書いたコードを動く形に変換すること | Java・Goはビルド、TSはJSへトランスパイル、PHPはそのまま実行寄り |
| フレームワーク | 開発を速くする「土台・ひな形」 | Java=Spring、PHP=Laravel、TS=React/Next.js、Go=Echo/Gin |
| ライブラリ / パッケージ管理 | 既製の部品とその管理ツール | npm(TS)、Composer(PHP)、Maven/Gradle(Java)、go mod(Go) |
| API(REST API) | システム同士のやりとりの窓口 | バックエンドで必須 |
| データベース / SQL | データの保存場所と、その操作言語 | ほぼ全案件で使う |
| フロントエンド / バックエンド | 画面側 / サーバー側 | TSはフロント寄り、Java・Go・PHPはバック寄り |
| Git / バージョン管理 | コードの履歴を管理する仕組み | 言語に関係なく必須。製造業の「変更履歴・図面管理」に近い |
| サーバー / クライアント リクエスト / レスポンス | 頼む側 / 返す側のやりとり | Web開発の基本構造 |
「フレームワーク」は、現場の治具(じぐ)だと思ってください。
毎回ゼロから組まなくても、土台がそろっているから速く・正確に作れる。Javaなら Spring、PHPなら Laravel というように、言語ごとに定番があります。
フレームワークごとの単価や需要は、姉妹編の学ぶべきフレームワークとは?で詳しく比べています。
またGitは言語に関係なく必須。無料・日本語の入門書としてGit公式の「Pro Git」が読めます。

第3層:選んだ言語ごとに足す用語
ここまで来たら、1本選んだ言語に固有の用語を足していきます。
逆に言えば、選んでいない言語の用語は、今は覚えなくていい。これが「全部覚えない」コツです。
| 言語 | 追加で出る用語 | ひとこと |
|---|---|---|
| ☕ Java | JVM、Spring(Boot)、オブジェクト指向 | 業務・基幹システムの定番。求人が多い |
| 🐘 PHP | Laravel、WordPress、リクエスト/レスポンス | Web・副業に強い。最初の1本に向く |
| 🔷 TypeScript | JavaScript、Node.js、トランスパイル、React/Next.js | フロントの主流。型注釈を覚えるのがカギ |
| 🐹 Go | goroutine(並行処理)、コンパイル、マイクロサービス | シンプルな文法。高単価だが入口は狭め |
「どの言語を1本目にするか」は、姉妹編の言語編・フレームワーク編で詳しく扱っています。
迷ったら、まずは PHP(Laravel)か Java(Spring)あたりが入りやすい選択肢です。用語の正確な意味を確認したいときは、開発者向けリファレンスのMDN用語集が頼りになります。
どの順で覚える?
最後に、覚える順番の地図です。
第1層 →(1言語を選ぶ)→ 第2層 → 現場で第3層、の流れで進めます。
flowchart TD
A["① 第1層を1つの言語で手を動かす
(変数・型・if・for・関数・配列)"] --> B{"② 1本目の言語を選ぶ"}
B -->|"Web・副業に強い"| PHP["🐘 PHP / Laravel"]
B -->|"求人が多い王道"| JAVA["☕ Java / Spring"]
B -->|"フロントの主流"| TS["🔷 TypeScript / React"]
B -->|"高単価・2本目向き"| GO["🐹 Go / Echo・Gin"]
PHP --> C["③ 第2層の共通語を覚える
API・DB / SQL・Git・フレームワーク"]
JAVA --> C
TS --> C
GO --> C
C --> D["④ 現場(実務・教材)で
第3層の用語を足していく"]
style A fill:#e8f5e9,stroke:#388e3c
style D fill:#e3f2fd,stroke:#1976d2
第1層は、手を動かして覚えるのが一番の近道。
選んだ1言語の入門教材で、6用語(変数・型・if・for・関数・配列)を実際に書いて動かしてみてください。
そこが固まれば、第2層・第3層は驚くほど速く頭に入ります。
製造業で身につけた段取り力・正確さ・改善(カイゼン)の習慣は、手順を決めて積み上げるITの学習と相性がいい。未経験=ゼロではありません。
この1枚だけ覚える
- 第1層(まず手を動かす):変数・型・条件分岐(if)・繰り返し(for)・関数・配列
- 第2層(4言語で出る共通語):型付け・オブジェクト指向・API・DB/SQL・Git・フレームワーク…
- 第3層(選んだ1本だけ):Java=Spring/PHP=Laravel/TS=Node.js・React/Go=goroutine
- 全部を先に覚えない。地図を持って、必要なところから手を動かす。
用語の地図が手に入ったら、次はその地図を持って現場に入ること。
どの言語・どんな求人なら未経験でも入れそうかは、未経験に強いエージェントに聞くのが近道です。
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