自衛隊を辞めたい。
そう思っても、簡単には言えないですよね。
上司にどう思われるか。同期に何を言われるか。親に反対されないか。民間で本当に通用するのか。
考えれば考えるほど、不安になるはずです。
私自身も、自衛隊を辞める決断をしました。それも、3等陸曹への昇任を翌月に控えたタイミングでした。
ただ、勢いだけで辞めたわけではありません。
この記事で整理するのは、3つだけです。
- なぜ辞めたいのか(理由)
- 辞めた後の選択肢
- 在職中にできる準備
元自衛官の立場から、この3つを順番に整理していきます。手続きの話には深入りせず、決断と後悔の話に絞って書きます。
やまと私は高校を卒業してから4社を歩いてきました。
2021年12月に班長に「辞めます」と伝え、2022年3月末で陸上自衛隊を退職。翌日4月1日にSES企業へ入社しています。
自衛隊を辞めたいと思うのはおかしくない
最初に、これだけは書いておきます。
自衛隊を辞めたいと思うこと自体は、甘えでも逃げでもありません。
自衛隊は安定しています。給料は毎月入るし、衣食住の面で恵まれている部分もある。
それでも、将来を考えたときに不安になることはあります。
- このまま定年まで続けるのか
- 任期満了後にどうするのか
- 民間で通用するのか
- 結婚して家庭を持てるのか
- もっと収入を上げるにはどうすればいいのか
こう考えるのは、逃げではありません。むしろ、自分の将来に真剣に向き合っている証拠です。
だから、「辞めたいと思ってしまう自分はダメだ」と責める必要はありません。
ただし、です。
辞めたいと思うことと、勢いで辞めることは、別の話です。
結論:勢いで辞めずに、まず整理から始めよう
先に結論を書きます。
- 自衛隊を辞めたいと思うのはおかしくない。将来に向き合っている証拠
- ただし、勢いで辞めるのは危険。後悔と正解の差は「辞める前にどれだけ整理・準備したか」で決まる
- 整理するのは3つだけ。①なぜ辞めたいのか(理由)/②辞めた後の選択肢/③在職中にできる準備
私は2021年12月に班長に退職の意向を伝え、翌2022年1月に3等陸曹に昇任、そして2022年3月末で退職しました。
SES企業に入って年収は約100万下がりましたが、現在までに約4年で取り返し、後悔はしていません。
ただ、これは勢いで辞めてうまくいった話ではなく、辞める前の整理と準備があっての結果でした。
順番に書いていきます。
勢いで辞める前に、年収の現実だけは見ておく
辞めるかどうかを決める前に、私が「やっておいてよかった」と思っていることが1つあります。
それは、辞めた後の年収の現実を、辞める前に知っておくことです。
自衛隊から民間ITに動くと、最初の年収はほぼ確実に下がります。私の場合は約100万円下がりました。これを「想定内」で受け止められるか、「聞いてない」で受け止めるかで、退職後の動き方がまるで変わります。
辞める判断をする前に、まず年収の話だけは目を通しておいてください。


※辞めると決める前に、年収の数字だけ見ておく用の記事です。
「辞めます」と言ったのは、3曹昇任の直前だった
自衛隊を辞めると決めたのは、2021年12月の月初でした。当時の私は自衛隊3年目。サイバー大学IT総合学部に在籍中でした。
翌2022年1月には3等陸曹への昇任を控えていて、普通に考えれば、このタイミングで「辞めます」と切り出すのは損な選択です。
それでも辞めると決めたのは、武器学校への長期教育の話が見え始めて、「4年でサイバー大学を卒業する」という自分の中で動かせない条件が崩れると分かったからでした。



損だってわかってたのに、辞める決断をしたんですか?



そうですね、
ただ衝動的な決断でもないんです。
退職の1年以上前から転職エージェントとやり取りして、「いつ動いてもいい状態」を作っていました。
ここで伝えたいのは、昇任を捨てた自慢ではありません。
勢いではなく「動かせない条件」で決めて、準備ができていたから、迷いなく動けたということです。
昇任直前の退職を決めた経緯、引き留め面談や年次休暇のやり取り、退職までの3か月のスケジュールは、別記事に詳しくまとめています。


周りにどう思われるかは、自分ではコントロールできない
辞めたい気持ちはあるのに言い出せない。
その理由の多くは、周りからどう思われるかへの不安だと思います。
- 怒られたらどうしよう
- 裏切り者だと思われたらどうしよう
- 根性なしだと思われたらどうしよう
- 迷惑をかけると思われたらどうしよう
私も、引き留め面談では「そんな簡単に転職先が見つかるわけがない」と言われました。
ただ、ここで分けて考えてほしいことがあります。
自分でコントロールできるのは、ここだけです。
- 誠実に伝えること
- 最後まで隊務を全力でやること
- 引き継ぎをきちんとすること
- 退職後の準備を進めること
逆に、上司がどう思うか、同期が何を言うか、周囲がどう評価するかは、自分では決められません。
全員に納得される退職は、たぶんありません。
でも、他人の評価を恐れて、自分の人生を止める必要もありません。
周りの反応をゼロにすることはできない。でも、自分がやるべきことに集中することはできます。
辞める手続きは調べれば分かる
「自衛隊 辞め方」で検索すると、退職手続きを網羅した記事が大量に出てきます。
退職代行サービスのページもあれば、転職エージェントが書いた解説もある。
手続き面の情報はもう十分に揃っています。
そのため、本記事では手続きには深入りしません。
確認すべきポイントだけ3つに絞ります。
- 自衛隊法に基づく退職:即日退職はできない。所属長を通じた退職願の提出と承認が前提
- 退職者調書の作成:退職事由・退職後の予定など、所定の書式での提出が必要
- 被服・装備品の返納:個人貸与品のリストアップと返納。退職日までに完了させる
細かい流れや書式は、防衛省や援護関係の一次情報を確認してください。
辞めて後悔する人・辞めて正解になる人の違い
自衛隊を辞めて、後悔している人と、正解だったと感じている人。
両方の話を周りで聞いてきましたが、決定的な差は1つです。
「辞めること」自体に正解・不正解はありません。
同じ理由で辞めても、辞める前の整理と準備で結果が分かれます。
| 後悔しやすい人 | 正解になりやすい人 |
|---|---|
| 辞めてから次を考える | 辞める前に次の選択肢を1つ以上知っている |
| 退職金と貯金で生活しながら職探しをする | 退職日と入社日のギャップを短く設計する |
| 援護枠だけで職を決める | 援護+民間エージェントで選択肢を広げる |
| 辞めた理由が複数あり、何を取り戻したいか曖昧 | 辞めた理由が1つに絞れていて、辞めた後の目的が明確 |
| 在職中に何も始めていない | 在職中に学習・転職活動の少なくとも一方を始めている |
表で並べると当たり前のことに見えますが、実際には左側で辞めてしまう人の方が多いです。
退職金が入った安心感で「辞めてから本気を出そう」と考えるうちに、貯金が減るスピードに学習が追いつかなくなる。
後悔と正解の差は、辞めるかどうかではなく、辞める前の準備量で決まります。
勢いで辞める前に整理したい3つのこと
ここからが本題です。冒頭に書いた3つ(理由・選択肢・準備)を、「辞めたいけど踏み切れない」当時の自分に問い直すつもりで、1つずつ整理していきます。
問い①:なぜ辞めたいのか、理由を1つに絞れているか
辞めたい理由が「人間関係も嫌だし、給料も伸びないし、将来も不安だし」と複数並んでいるうちは、辞めても次の場所で同じ不満を抱えやすいです。
私の場合、最後に残った1つは「武器学校に行ったら、サイバー大学を4年で卒業できない」でした。
給料への不満も、昇任への迷いも、人間関係の話もありましたが、最後は「4年で学位を残せるかどうか」の1点で決まりました。
理由を1つに絞ると、辞めた後で何を取りに行くかが見えてきます。
「辞める理由ではなく残る理由を探す」というアプローチも、決断補助として参考になります。


問い②:辞めた後の選択肢を、1つ以上具体的に知っているか
退職金と貯金が減るスピードに、学習も求職も追いつきません。
選択肢は2〜3個でいいので、辞める前から具体的に把握しておくと安心です。
未経験・第二新卒向けのウズキャリのようなエージェントに1回相談しておけば、自分向けの求人と提示年収の相場感が見えます。
20代の自衛官は「業界は未経験/社会人経験はある」立ち位置で、未経験向けエージェントが扱いやすいゾーンに入ります。
私の場合は、辞めると切り出した2021年12月のうちから動き始め、3月末退職→4月1日入社まで、ギャップは1日に詰めました。
\登録無料、相談だけでもOK/
未経験・第二新卒向けの転職エージェント
辞めた後の年収が実際にどう動くかは、別記事に時系列でまとめています。


問い③:在職中にできることは、本当にやり切ったか
辞めたいと思ってから半年〜1年は、在職中にやれることを試す期間として使えます。
私の場合は、退職の1年以上前から転職エージェントと定期的にやり取りしていました。「いつ動いてもいい状態」を作りながら、サイバー大学で学び続けて、武器学校行きの話が来た瞬間に動けた。
在職中に試せることは、具体的には3つだけです。
無料・登録だけでもOK。
「自分向けの求人」「提示年収の相場感」「未経験で受かりそうな職種」の3つが分かれば、それだけで辞めた後の動き方の解像度が上がります。
20代なら未経験向けのウズキャリ、エンジニア経験者ならIT特化エージェントが選択肢になります。
独学/通信制大学/スクール、何でもいい。
「辞めてから本気を出す」より「在職中に小さく始める」方が、結果的にコストもリスクも低くなります。
自衛隊の不規則勤務でも続けられる学び方は、別記事に詳しくまとめています。


「人間関係」「給料」「将来不安」「やりがい」など、思いつくだけ全部書き出す。
そこから、最後に残るのが1つになるまで削っていく。残ったその1つが、辞めた後で何を取り返すべきかの軸になります。
辞めるのは、この3つを試してからでも遅くありません。
学びの入口については、サイバー大学を在職中に始めた経験を別記事に書いています。


自分は辞めて、年収は下がったが後悔していない
結果として、私は2022年3月末で自衛隊を退職し、翌4月1日にSES企業へ未経験入社。年収は約100万円下がりました。
その後の数年で、年収はこう動きました。
- 2021年(陸自2等陸士〜3等陸曹):約380万円
- 2022年(未経験SES1年目):約280万円(−100万円)
- 2023年(SES2年目):自衛隊水準まで戻る
- 2024年(製造業DX入社):超え始める
- 2025年(製造業DX 2年目):約580万円
これは「IT業界の年収カーブが、自衛隊より急角度だった」というだけの話で、誰でも同じになる保証はありません。
SES経由のキャリア設計、製造業DX担当への転職タイミング、副業の積み上げが噛み合った結果です。
それでも、「1年目は下がる、2〜3年で取り戻せる、4年目以降は上回れる」という設計図を辞める前に持っていたのは大きかった。
辞める前にこの設計図を持っているかどうかが、後悔と納得を分けます。
設計図は、ネットの記事を読むだけでもある程度作れますし、エージェント相談で1時間話せばかなり具体化します。
退職翌日に入社、入社の3日後から大学の春学期開始という詰め方は、12月から3ヶ月かけて準備した結果でした。
「辞めた後に何を取り返すか」を辞める前に決めておけば、退職前後の数ヶ月でブランクは出ません。
まとめ:辞めたいはおかしくない。でも、整理してからでいい
- 自衛隊を辞めたいと思うのはおかしくない。将来に向き合っている証拠
- ただし、勢いで辞めるのは危険。後悔と正解の差は、辞める前の整理と準備で決まる
- まずは3つの整理(①理由を1つに絞る/②選択肢を1つ知る/③在職中の準備をやり切る)から始める
辞めるかどうかは、今日決めなくていいです。
でも、不安を抱えたまま、何もしないでいる必要もありません。
まずは紙に、辞めたい理由と不安を書き出すところから始めてみてください。
次にやることは、在職中の学びの始め方か、辞めた後の年収の現実を知ることです。






よくある質問(FAQ)
同じ「現場あがり」で製造業の現場SE(社内SE・社内DX)を目指す仲間が集まるコミュニティを、これから作ります。今は第1期の創設メンバーを募集中。会費はかかりません。
まずは、どんな場かのぞくだけでも














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