「サイバー大学を卒業したら、本当に転職で評価されるのか」。入学を検討している人、あるいは在学中で出口を考え始めた人が、一度は不安に感じる論点だと思います。
結論から言います。私はサイバー大学IT総合学部を2024年3月に卒業し、卒業前後で合計2回IT業界内で転職しました。現在27歳で、静岡の地方都市にある地方中小の製造業(アルミダイカスト)でDX推進担当をしています。その経験から言えるのは、サイバー大学の学位は”切符”ではなく”レバー”だということです。
ここを勘違いすると、「卒業したのに書類が通らない」「学歴欄を埋めただけで終わった」と感じて後悔することになります。この記事では、私自身の2回の転職の実例を使って、学位がどの場面で効いて、どの場面で効かなかったかを具体的に書きます。在学中・卒業直前・卒業後それぞれのタイミングで検討している方の判断材料になるよう、面接で実際に聞かれた質問や書類通過率の体感まで含めて残します。
やまと私のキャリアは「工業高校→大手楽器メーカー→自衛隊→SES企業→地方中小の製造業」という遠回り組です。サイバー大学は自衛隊在籍中に入学し、SES企業在籍中に卒業しました。つまり「在学中の転職」も「卒業直後の転職」も両方経験しています。
サイバー大学 卒業後の転職は「学位だけ」では評価されない
まず一番大事な前提を書きます。サイバー大学の学位単体で転職の合否がひっくり返る場面は、私の経験上ありませんでした。2回の転職でも、1次面接で「サイバー大学卒だから通しました」と明言されたことは一度もなかったです。
一方で、学位が”レバー”として効いた場面はいくつもありました。具体的には、前職の実務経験・取得した資格・在学中のアウトプットと組み合わさったときに、採用側の評価が一段上がる感覚があります。この”掛け算で効く”という性質を理解しているかどうかが、卒業後の転職活動の成否を分けます。
- 学位単体では通らない。実務経験・資格・成果物との掛け算で効く
- 面接で聞かれるのは「通信制でどう両立したか」「在学中に何を作ったか」の2点が中心
- 未経験IT職ほど効きやすく、即戦力SE・大手中途ほど学位の影響は相対的に薄くなる
- 卒業してからでなく、在学中や卒業直前の「取得予定」タイミングでも十分武器になる
- エージェントはIT特化型と第二新卒特化型を併用したほうが書類通過率の差を測れる
ここから、私自身の2回の転職を時系列で辿っていきます。「在学中でも転職できるのか」「卒業直前のタイミングはどうか」という検索意図をお持ちの方は、それぞれ対応するセクションを先に読んでもらっても構いません。
実例①:自衛隊 → SES企業(大学2年在学中・未経験IT転職)
1回目のIT転職は、2022年4月、サイバー大学の2年次終了時点です。当時23歳、自衛隊で車両整備士を3年務めた直後で、プログラミングの実務経験はゼロの状態でした。サイバー大学は2020年入学なので、学位としては”まだ半分”のタイミングで動いた格好です。
応募先は未経験OKの開発系SES企業に絞り、10数社受けました。最終的に内定を獲得したのが当時入社したSES企業で、電力会社向けのWebポータル開発・API基盤構築の現場に配属されることになります。使った言語はVue.js/Python/Java、クラウドはAWSでした。
書類通過率と面接で聞かれたこと
体感の書類通過率は半分前後でした。未経験・前職が自衛隊・大学在学中という並びで見ると、未経験にしては通過率が高かった側だと今なら分かります。エージェントの担当者からも、「自衛隊出身+情報系大学在学中」という組み合わせが珍しくて書類が目に留まりやすい、という話を聞きました。
面接で実際に何度も聞かれたのは以下の3点です。
- 通信制大学と自衛隊の業務をどうやって両立していたか(時間管理・自己管理の聞き出し)
- 在学中に作った成果物やコードはあるか(授業課題でOK、GitHubで見せられるか)
- なぜ自衛隊からIT業界へ移るのか(志望動機のストーリー)
逆に、「サイバー大学って通信制ですよね?正規の大学ですか?」と学位の正当性を疑われる質問は、ほぼありませんでした。サイバー大学がソフトバンク系列の株式会社立大学で正式な四年制大学だと認知している面接官が多かった印象です。
学位が効いた場面/効かなかった場面
この転職で学位(在学中含む)が効いた場面は、主に以下の3つでした。
- 「ITに本気で移りたい」という志望動機に説得力が出る(働きながら4年かけて学んでいる、という行動の裏付け)
- 書類選考の段階で同じ未経験組の中から抜け出しやすい(情報系の学生扱いされる)
- 面接で話題の接点が増える(授業で扱ったプログラミング課題を起点に技術面の会話ができる)
逆に、効かなかった場面もはっきりあります。即戦力を求める中堅〜大手のSIerや自社開発系の求人では、学位はほぼ無視されました。こちらは当然で、「実務経験何年」「このフレームワークで何を作ったか」が最重要だからです。私の場合、この層はそもそも書類通過しません。未経験IT転職でサイバー大学の学位(在学中)が効くのは、あくまで「未経験OK」を明示している求人の中での選別フェーズだと理解しておいたほうがいいです。



当時の私は「卒業していないと戦えない」と思い込んでいましたが、実際は在学中の4年間のうちの2年分でも十分な武器になりました。「卒業まで動かない」ほど損な判断はないと今では思います。
実例②:SES企業 → 製造業DX(大学4年在学中・卒業直前)
2回目の転職は、2024年1月、サイバー大学の4年次・卒業の2か月前です。当時25歳、SES企業での開発経験は約1年10か月。職種としては開発エンジニアから製造業のDX推進担当へ、かつ業界をIT業界から製造業に越境する転職でした。
応募先は、IT環境が整っていない地方中小の製造業(アルミダイカスト)です。「ゼロからDX推進する担当が欲しい」というポジションでの募集で、MES(製造実行システム)を自社開発する役割を一人で担うというかなり尖った要件でした。
書類通過率と面接で聞かれたこと
このときの書類通過率は1回目より明らかに高かったです。体感で7〜8割通過しました。ただし、これは学位そのものより「SES企業で約2年、開発の実務を回した」経験が主な要因です。大きな会社向けのWebポータル開発の経験があると、中小製造業のDX案件では一気に評価が上がります。
サイバー大学については、面接で以下のような聞かれ方をしました。
- 「3月卒業予定ですよね、現時点でどの単位が残っていますか」(卒業できる確度の確認)
- 「IT総合学部ではどの領域を重点的に学びましたか」(技術の守備範囲の確認)
- 「通信制で4年間働きながら卒業するのはどれくらい大変でしたか」(自走力の確認)
1回目と比べると、学位は”確認事項”に変わったという感覚です。主役は完全に実務経験側に移っていて、学位は「情報系のバックボーンがあると担保するもの」として機能していました。
「情報系学士取得予定」が刺さった理由
面白かったのは、「卒業してから応募してください」と言われなかったことです。書類には「2024年3月卒業予定・サイバー大学IT総合学部」と書き、取得”予定”の状態のまま選考を進めて内定を獲得しました。
採用側の視点に立つと、これは合理的です。情報系学士の取得予定が見えていれば、それは実質的に確定事項に近いので、あえて3月まで待つ理由がないのです。むしろ3月末入社を狙うなら、1月〜2月に内定を出しておかないと採用側も困ります。
つまり、卒業してから動くより、卒業直前に動くほうがタイミング的に有利になるケースがあります。中途採用の現場では、4月入社の枠は意外と広く、新卒プロセスと競合しない中途側からだと「卒業前提」で選考が進むことも珍しくないです。この感覚は、エージェントを通さず自分で直接応募すると意外と掴みにくい部分でした。
採用側から見たサイバー大学卒の位置づけ
2回の転職と、現在のDX推進担当として採用面接に同席する側の立場も経験した結果、採用側から見たサイバー大学卒の扱いがだいぶ見えてきました。ここでは3つの切り口で整理します。
学歴フィルターでの扱い
中途採用の現場で「学歴フィルター」が強く効くのは、大手メーカーや大手金融の新卒採用が中心です。中途のIT職では、学歴フィルターそのものが緩いケースが多く、サイバー大学卒がどの位置にくるかはそれほど問題になりません。
むしろ効くのは「四大卒以上」という条件を出している求人への応募で、ここでは「高卒のまま」と「サイバー大学卒」の差は決定的です。私は高卒のまま動いていたら通らなかった求人にいくつも出会いました。学歴フィルターを”超える”のではなく、”入場券を持つ”という役割をサイバー大学の学位は果たします。
情報系学位としての扱い
IT企業の中途採用で学位を重視するかは会社によりますが、「情報系の学士」を条件に挙げる求人は確実に存在します。組み込み系、AI関連、大手SIerの一部ポジションなどです。ここでサイバー大学IT総合学部は”情報系の学士”として通るかどうかが気になるポイントだと思います。
私の経験の範囲では、「情報系学士」の条件を満たすものとして扱われました。カリキュラム的にもプログラミング・データベース・ネットワーク・AI・セキュリティが体系的に含まれているので、これで情報系扱いされないほうが不自然です。ただし、研究室・卒論を重視する求人(博士課程進学者との競合がある研究職)では、通信制の学士は不利になる可能性が高いので、その層を狙うなら大学院進学を視野に入れたほうが現実的です。
社会人として働きながら卒業した評価
これは現役の社会人学生が一番過小評価している武器だと思います。「働きながら4年で卒業した」という事実は、学位そのものよりも強力な自己PR材料になります。
採用側から見ると、これは「自走できる」「スケジュール管理できる」「長期の目標にコミットできる」という3つの能力が同時に担保された状態です。特にリモートワーク前提の職場や自走が求められるポジションでは、4年生分の両立経験は実務経験に近い扱いを受けます。私自身、面接で「通信制での両立経験を評価して採用を決めた」と後から聞かされたこともあります。
サイバー大学 卒業生の転職を有利にする3つの準備
ここまでの実例と採用側の視点を踏まえて、卒業生(あるいは在学生)が転職活動で結果を出すために積んでおきたい準備を3ステップに整理します。
面接で必ず聞かれるのが「在学中に作ったもの」です。ここで答えられない場合、学位の説得力が一気に落ちます。規模は小さくて構いません。GitHubに置いたToDoアプリ、個人ブログ、Zennの技術記事、Qiitaへの投稿、Kaggleへの参加、家族向けに作った小さな業務ツールなどで十分です。
私の場合、在学中からZennで技術記事を書き続け、現時点で58本・累計836いいねの状態にしていました。2回目の転職の面接で「このZennの記事から技術選定のセンスが伝わった」と言われたことがあり、学位以上に効いた実感があります。
学位の”情報系としての信頼性”を補強する一番安いコストは、実務寄りの資格を追加で取ることです。「通信制の学位だけで大丈夫か?」という採用側のうっすらした不安を消す効果があります。
私が取ったのはAWS Certified Cloud Practitioner(2023年1月)、DLA Deep Learning for GENERAL 2023 #2(2023年5月)、Python 3 エンジニア認定基礎試験(2023年6月)の3つです。どれも難関資格ではありませんが、「授業で学んだ内容を実務系の資格で証明した」という事実が面接で機能しました。卒業後に同じ効果を狙うなら、応用情報、AWS Solutions Architect Associate、LPICあたりが実用的です。
サイバー大学卒は「通信制かつ情報系学士」という組み合わせが転職市場でまだ珍しい部類に入ります。総合型エージェントだと通信制大学という属性を強みとして言語化してくれないことが多いので、IT特化型と第二新卒特化型の両方に登録して、担当者のリアクションを比較するのがおすすめです。
私自身が使って手応えがあった・現時点で有力なサービスを以下に挙げます。
- ウズキャリIT(IT業界特化・20代未経験に強い。面接対策が手厚い) → ウズキャリIT 公式
- 第二新卒エージェントneo(既卒・第二新卒特化。サイバー大学の在学中〜卒業直後の両方に対応) → 第二新卒エージェントneo 公式
- ハタラクティブ(未経験歓迎の求人が多く、高卒・通信制卒にも寛容) → ハタラクティブ 公式
エージェントは1社だけで判断しないこと。同じ職歴でも担当によって推せる求人がまったく違うので、2〜3社同時登録で3週間ほど走らせて、手応えの良い側に絞るのが実務的です。
サイバー大学 卒業後の転職に関するよくある質問
- 通信制であることは面接で不利に働きますか?
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私の2回の転職では不利に働いたと感じた場面はありませんでした。むしろ「働きながら卒業する自走力の証明」として評価された場面が多かったです。ただし、研究職や新卒プロセス寄りの大手採用では通学制との比較で不利になる可能性はあるので、その層を狙うなら資格や成果物で補強するか、大学院進学を視野に入れたほうが現実的です。
- 卒業を待たずに在学中に転職してもいいですか?
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タイミング次第で、卒業してからより有利なこともあります。私自身、1回目は2年次終了時点(大学2年在学中)、2回目は4年次1月(卒業2か月前)で動いて、どちらも通りました。中途採用は新卒と違って「卒業前提」で選考が進むケースもあるので、卒業まで動かないと損することもあります。ただし応募先には「○年○月卒業予定」と正直に書くことが前提です。
- サイバー大学を卒業すると年収は上がりますか?
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学位単体で年収が上がることはありません。年収を動かすのは職種変更です。私の場合、SES時代と現職DX推進担当の比較で年収が約100万円上がりましたが、これはサイバー大学卒業が直接の要因というより、卒業までに積んだ実務経験・資格・アウトプットの総合評価と見ています。学位は職種変更のハードルを下げるレバーで、年収を上げる直接のレバーではない、と理解したほうが実態に近いです。
- 卒業証明書は転職活動に間に合いますか?
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内定後の提出で問題なかったケースがほとんどです。私の2回目の転職でも、面接段階では「卒業予定」として進み、卒業証明書は4月以降に提出しました。サイバー大学はオンライン窓口から郵送で発行してくれるので、手続きは比較的スムーズです。ただし会社によっては「内定書発行に卒業証明書の提示が必要」という条件を付けるところもあるので、内定面談の段階で入社時期と合わせて確認しておくと安心です。
- エージェントは必ず使ったほうがいいですか?直接応募ではダメですか?
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直接応募でも内定は取れますが、サイバー大学卒というまだ珍しい属性を”どう言語化するか”で通過率が変わるので、少なくとも1社はエージェントを挟んで市場価値の客観視をしたほうがいいです。とくに書類通過率を事前に読めるようになるのが、エージェント経由の最大の利点だと思っています。私の場合、IT特化型と総合型を併用して、職歴書の書き方を担当者と一緒に磨いたのが結果に直結しました。
まとめ — サイバー大学の学位は「レバー」として使え
サイバー大学を卒業しただけで転職できるわけではありません。一方で、採用側が見ていたのは学位そのものではなく、在学中の4年間にあなたがどう動いたかでした。実務経験・資格・成果物のどれかを並行して積み上げていれば、学位は”レバー”として効き、職種変更や年収アップのきっかけをつくれます。
これから転職を考えるなら、まず自分の現在地を第三者の目で見てもらうところから始めるのが一番効率的です。IT特化型エージェントに登録して、職歴書を一度添削してもらうだけでも、サイバー大学卒の強みの言語化が一気に進みます。とくに20代で未経験〜第二新卒の立場の方は、下記のエージェントのどれかで書類の見え方を先にチェックしておくといいです。
- ウズキャリIT — IT業界特化。20代未経験向けに面接対策が手厚い
- 第二新卒エージェントneo — 既卒・第二新卒特化。卒業直前〜直後に最適
- ハタラクティブ — 未経験歓迎の求人が多く、高卒〜通信制卒にも寛容
卒業後の進路の全体像はこちら👇
入学前に検討しておきたい後悔ポイントはこちら👇
4年で卒業するまでの難しさは下記の記事にまとめています👇
セットで読むと、入学前・在学中・卒業後の判断軸が繋がるはずです。
学位は過去の証明書ではなく、次の一手のレバーです。レバーを握った上で、在学中・卒業直前・卒業後のどのタイミングでも構わないので、次の職場を探す動きを早めに始めてみてください。タイミングは思っているより早くて問題ありませんでした。










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