「サイバー大学を卒業した後、本当にちゃんとした進路に進めるのか」。これから入学しようとする人や、在学中で先が見えない人が一度は検索する言葉だと思います。
結論からお伝えします。私はサイバー大学IT総合学部を2024年に卒業し、現在27歳で製造業のDX推進担当をしています。学位はあくまで一要素ですが、在学中の動き方次第で、卒業後の進路は十分に拓けるというのが正直な感想です。
この記事では、サイバー大学を実際に卒業した一人として、卒業後の進路がどうなったか、学位がどこで効いたか、卒業生の進路パターン、後悔しないための判断基準を、自分の体験と公式データを混ぜながら書きます。キャリア全体の話(高卒就職から自衛隊、SE転職までの遠回りの話)は別記事「【実体験】高卒で就職→兼業学生→SE。遠回りしたからわかったこと」にまとめてあるので、本記事は「卒業以降」にフォーカスしています。
サイバー大学を卒業した私の現在地
本論に入る前に、現時点で私がどこにいるかを先に出します。「卒業後にどうなったか」の生のサンプルとして読んでください。
- 27歳・静岡県在住
- 本業:製造会社のDX推進担当
- 担当領域:MES(製造実行システム)を自社開発中
- 副業:keepmoov(WordPress制作・内製化支援、自転車アプリ開発)
- 執筆:Zennで技術記事58本・累計836いいね、しごとえらびブログ運営中
- 取得予定:ダイカスト技能士2級(受験準備中)
ご覧の通り、専業のフロントエンドエンジニアでもなければ、有名IT企業の社員でもありません。地方の中小製造業に属しながら、本業でIT職、副業で受託、執筆も続けている、という形に落ち着いています。実際のところ、これがサイバー大学卒業生の「ありがちな着地点」のひとつだと思っています。
サイバー大学卒業後の進路リアル — 私の場合
2024年3月、私は4年間の在籍を経てサイバー大学IT総合学部を卒業しました。卒業時点ですでにSES企業でエンジニアとして働いており、その後すぐに今の職場へ転職して現職に就いています。
卒業証書を実際に使った場面は、現実的には次の2つだけでした。
- 転職時の応募書類で「最終学歴:サイバー大学IT総合学部 卒業」と記載した
- 面接で「通信制大学を働きながら卒業した」という事実を、自走力の根拠として説明した
逆に「学位そのものが評価されて採用が決まった」という瞬間はありませんでした。これは大事な点で、サイバー大学の学位は応募資格を満たすための土台として機能し、採用判断は別の要素(実務経験・成果物・面接での説明)でされる、というのが現場の感覚です。
ただし、学位が無かったら最終学歴は「高卒」のまま。求人によっては書類で弾かれていた可能性もあります。「足切りに引っかからないための保険」としては、間違いなく機能していると感じています。
入学から現職まで — 私のキャリア年表
「卒業後の進路」を判断するうえで、卒業前後の動きをワンセットで見るとイメージが湧きやすいので、要点だけ時系列でまとめます。
陸上自衛隊で車両整備をしながら、IT総合学部AIテクノロジーコースに入学しました。入学動機は「このまま手に職がない状態で年齢を重ねるのが怖い」という危機感でした。働きながらの学習スタイルなので、平日夜と週末に動画講義を進める生活です。
大学2年終了時点で、Python・AWS・基本情報技術者試験の知識が一通り入った段階でSES企業へ転職しました。実務経験を在学中から積み始めたことが、後の進路選択肢を大きく広げたと感じています。
2024年3月にサイバー大学IT総合学部を卒業。標準修業年限の4年で卒業できました。卒業のタイミングで、地元の製造業からDX推進担当のオファーを受けて転職しました。
本業ではMESの自社開発、現場ヒアリング、システム導入計画を統括しています。副業のkeepmoovではWordPress保守の内製化支援や自転車アプリ開発を継続。執筆活動も並行しています。卒業から2年経った現在、この働き方に落ち着いています。
サイバー大学の学びは現職にどう効いたか
「結局、サイバー大学で学んだことが今の仕事の役に立っているのか」。これは入学を検討する人が一番知りたいところだと思うので、現職での活きどころを具体的に書きます。
Python・AI関連の科目 → MES自社開発の主力に
IT総合学部AIテクノロジーコースで履修したPython・機械学習・データ分析系の科目は、現職のMES開発でそのまま使っています。具体的には、製造ラインから上がってくる稼働データをFastAPI経由でDBに格納し、Next.jsで可視化する、という構成のバックエンドが私の担当領域です。学部時代に書いた拙いコードが、業務コードの基礎体力になっている実感があります。
AWS・クラウド系の科目 → インフラ判断の引き出しに
クラウド系の科目は、業務システムをオンプレで持つかクラウドに乗せるかという判断の場面で効いています。中小製造業の現場では、IT予算もインフラ知識も限られているので、「最小構成で動かして段階的に広げる」という設計思考が必要になります。AWSの基礎を学んでいたおかげで、コスト試算や責任分界点の説明を経営層にできるようになりました。
プロジェクトマネジメント系の科目 → DX推進の現場で活用
正直に言うと、PM系の科目は在学中はピンと来ませんでした。ただ、現職で複数部門を巻き込むDX案件を回し始めて、「ステークホルダーの可視化」「スコープ管理」といった概念が日常言語になりました。座学で先に枠組みを知っていたから、現場で起きていることを言語化しやすかったのだと思います。
卒業生の進路パターン3つ(公式データ+私の見聞)
サイバー大学公式が発表している2025年3月卒業生の就職実績では、24歳以下卒業生の就職率は93.3%とされています。この数字は新卒層での実績であり、社会人学生を含む全体の進路はもう少し多様です。私の周囲(在学中に交流した同窓生・OB)から見えた進路パターンを大きく3つに分類するなら、次のようになります。
- パターンA:IT企業へ新卒・第二新卒で就職
24歳以下の若年層に最も多い進路。SES、Web系受託、社内SEなど。公式の就職率93.3%はこの層の数字 - パターンB:既存職場でIT寄りの職種にキャリアチェンジ
社会人学生に多い。私のように、本業の業界知識を活かして「業界 × IT」のポジションに移る。製造業DX、医療IT、自治体ITなど - パターンC:起業・フリーランス・副業多角化
少数派だが確実に存在する。在学中から個人開発・受託で実績を作り、卒業と同時に独立、または副業で月数万円〜数十万円を回す
大手進路メディアの記事だと「IT企業に就職している」という抽象的な説明で終わりがちですが、現実的にはパターンBとCも一定数います。とくに30代以降で入学した社会人学生は、既存キャリアとの接続を狙うパターンBが多い印象です。
卒業後を後悔しないための判断基準
入学を検討中の人に一番伝えたいのは、「卒業して何を得たいか」を入学前に60点でいいので決めておくことです。完璧な計画は要りません。ただ、ゴールが曖昧なまま4年走ると、卒業後の進路選択でブレます。
私の周囲を見ていると、卒業後に「うまく接続できた人」と「接続できなかった人」の差は、次の3点に集約されます。
- 在学中に実務 or アウトプットの場を持っているか(GitHub・Zenn・受託・転職)
- 4年間の生活設計が現実的か(学費+生活費を回せる収入源、勉強時間の確保)
- 卒業時点で次の進路の手札があるか(卒業してから動き出すと半年〜1年のブランクが発生しやすい)
サイバー大学の卒業率は約75.9%(推定)とされており、4人に1人は何らかの理由で4年では卒業できていません。この数字は、社会人と学業を両立する難易度をそのまま反映しています。卒業後の進路を考える前に、まず「自分の生活で4年走り切れるか」を冷静に見積もるのが現実的です。
サイバー大学 卒業後のよくある質問
- サイバー大学の学位は転職市場で評価されますか?
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「学位そのものが採用の決め手」になるケースは、私の経験ではありません。ただし「大卒以上」が応募条件の求人で書類選考を通過するための足切り回避としては機能します。実務経験・成果物・面接での説明と組み合わせて評価される、というのが現実的な理解です。
- 履歴書には通信制大学とバレますか?
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正式名称が「サイバー大学」なので、履歴書を見れば通信制であることは伝わります。私は隠す必要を感じたことはなく、「働きながら卒業した」という事実をそのまま強みとして説明しています。むしろ、面接官から学習スタイルや時間管理について好意的に質問されることの方が多かったです。
- 卒業率が低いと聞きますが、実際どのくらい難しいですか?
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卒業率は約75.9%と推定されており、4人に1人は4年で卒業できていません。難しいのは試験そのものより「4年間の学習時間を継続的に確保できるか」です。仕事・家庭・体調の波で勉強時間が削られる時期が必ず来るので、年間スケジュールを最初に立てておくことを勧めます。
- 卒業後すぐにIT企業へ就職できますか?
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24歳以下の卒業生に限ると就職率93.3%という公式データがあります。ただし、新卒就職活動と同じく「在学中に動いておく」のが前提です。卒業してから求職活動を始めると、新卒枠から外れて競争が一気に厳しくなる印象があります。在学中にインターン・SES・受託など、何らかの実務接点を持っておくと現実的です。
- 学費は卒業後に回収できますか?
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学費の回収期間は、卒業後の年収増加幅で大きく変わります。私の場合、卒業前のSES時代と現職DX推進担当で年収が約100万円上がったので、おおよそ4〜5年で回収できる見込みです。「IT職へ移動する前提があるか」で回収スピードが決まる、というのが現実的な答えです。
まとめ — 卒業後の進路は「在学中の動き方」で決まる
サイバー大学卒業後の進路は、卒業時点ですべてが決まるわけではなく、在学中の4年間にどう動いたかでほぼ決まります。私の場合は在学中の転職と継続的なアウトプットが、卒業後の選択肢を作ってくれました。卒業生1人のサンプルとして読んでいただいて、自分の状況と照らしてもらえれば幸いです。
関連して、入学までの動機や高卒からのキャリア選択については別記事「【実体験】高卒で就職→兼業学生→SE。遠回りしたからわかったこと」にまとめています。卒業を後悔しないための具体的な判断や、卒業の難しさの実態については、続編記事を準備中なので公開次第ここからリンクします。
サイバー大学への入学を本格的に検討する段階になったら、まずは公式の資料請求で最新の学費・コース情報を確認するのが現実的です。私が入学した当時から学部構成も変わっているので、最新情報を一次ソースで押さえてから判断するのが、後悔を減らす近道だと思います。


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