「サイバー大学って、本当に卒業できるんだろうか」。入学を検討する段階で一度は頭をよぎる不安だと思います。通信制の大学は自由度が高い反面、挫折する人も一定数いるというイメージが強いので、当然の疑問です。
結論からお伝えします。私は社会人として働きながら、サイバー大学IT総合学部を標準修業年限の4年で卒業しました。率直に言うと、難易度そのものは「しっかり段取りを組めば越えられる」レベルです。ただし、途中で3ヶ所ほど明確に詰まった時期がありました。この記事では、そのリアルな詰まりポイントと、4年間の時間の使い方を数字つきで公開します。
卒業後の進路が気になる方は、先に関連記事をご覧ください。本記事は「在学中の4年間をどう乗り切ったか」に絞って書きます。

公式データから見るサイバー大学の卒業難易度
「難しいかどうか」を肌感覚だけで語る前に、数字で見えている範囲を先に整理します。誤解を避けるため、公式が発表している数字と、情報比較サイトで流通している推定値を分けて書きます。
- 標準修業年限:4年(最短2年で早期卒業も可能)
- 24歳以下卒業生の就職率:93.3%(2025年3月卒業生、サイバー大学公式発表)
- 卒業率:推定 約75.9%(複数の情報比較サイトが引用している数値。公式の一次ソースは本記事執筆時点で未確認のため「推定」として扱ってください)
- 授業形式:完全オンライン(通学ゼロ、動画講義+オンライン試験)
卒業率の数字をそのまま受け取るなら、4人に1人は4年で卒業しきれていない計算になります。ただ、通信制大学の特性として「社会人学生が仕事の都合で休学・延長するケース」がかなり含まれているはずなので、「学力的に難しくて落ちる」のとは質が違うと考えた方が現実的です。
実際のところ、私の周囲で途中離脱した人たちも「難しくて諦めた」というよりは、「転職・結婚・育児などで時間が取れなくなって休学、そのまま退学」というパターンがほとんどでした。純粋な学習負荷としての難易度は、一般的な大学と大差ない印象です。
社会人の私が「難しい」と感じた3つのポイント
ここからは、4年間で私自身が明確に詰まった場所を3つに絞って書きます。入学前に頭に入れておくと、同じ場所で躓いたときの心の準備になるはずです。
ポイント1:期末レポートの文量と締切の重なり
1つ目は期末レポートです。1科目あたりの分量自体は、一般的な大学と変わりません。問題は、履修科目数が多い学期に入ると、締切が同じ2週間程度の期間に集中することです。私の場合、多いときで1学期に8科目履修していたので、期末期の2週間は「毎日2〜3時間レポート執筆」に張り付く必要がありました。
本業を抱えている社会人にとって、この期末ラッシュが4年間で最も消耗するタイミングです。平日夜に本業+執筆を両立させるのは、体力的にも精神的にもきついので、後述する履修調整の判断が効いてきます。
ポイント2:動画講義の積み残しが雪だるま式に増える
2つ目は動画講義の消化スピードです。1科目15回、各90分の講義を学期内にすべて視聴する必要があります。単純計算で、8科目履修すると「学期中に120本の90分動画」を見る計算です。
見落としがちなのは、動画を「ながら見」すると後で小テストに落ちるという点です。私はサイバー大学の講義に出てくる英単語の発音を覚える科目を、作業しながら流していた時期があり、期末テストで半分近く落として単位を落としそうになりました。以降は、動画視聴の時間は「他のことをしない時間」として固定するようにしました。
ポイント3:英語系・数学系の必修科目
3つ目は、教養科目に含まれる英語系・数学系の必修です。IT総合学部でもこの2分野は避けて通れません。私は工業高校(電子機械科)から大手楽器メーカー・自衛隊を経て入学したので、数学と英語を本格的に扱うのは高校卒業以来の3年ぶりでした。とくに線形代数・統計学あたりは、復習のために市販の参考書を別途買って勉強時間を上乗せした記憶があります。
逆に、プログラミング系や情報系の専門科目は、在学中にSES企業で実務を始めてからは「復習しながら講義を聞く」感覚で済むようになり、ここは学習時間の消費が少なかったです。苦手分野にリソースを寄せるというシンプルな話が、効く場面です。
4年間の学習スケジュールをそのまま公開
「社会人で4年は現実的に可能なのか」という疑問に答えるには、実際に私がどう時間を割いていたかを見てもらうのが一番早いと思います。学期の進行に沿って、4つのフェーズに分けて整理します。時間数はあくまで私の場合なので、目安として読んでください。
週末にまとめて2〜3時間を使い、その学期の履修科目・シラバス・レポート締切を1枚のスプレッドシートに落とし込みます。ここで「締切が重なる週」を先に可視化しておくと、後のラッシュ期が格段に楽になります。私は期末2週間の前に、休暇を1日だけ確保するクセをつけていました。
平日は夜21〜22時半の90分を動画講義視聴にあてます。週末は土曜の午前中に4〜5時間まとめて、講義視聴の積み残し回収+中間課題に使います。この時期に貯金を作れるかどうかが、後半の余裕を決めます。日曜は基本的に休みに設定していました。
期末・中間試験が集中する週は、平日夜の時間をすべて試験対策にあてます。動画視聴は事前に前倒しで終わらせる前提です。週末は朝から午後まで4〜6時間使うこともありました。ここは年4回(前期:5月ごろ・8月ごろ・後期:12月ごろ・2月ごろの各学期末)、必ず発生します。
学期間の休みは2〜3週間あります。ここでは、次学期に取る専門科目のシラバスを眺めて、関連する市販書を1冊読んでおくことをクセにしていました。本業が忙しい期間に学習時間を取れないのを見越して、前倒しで難所を潰しておく作戦です。
ざっくり計算すると、学期中の学習時間は週あたり平日7.5時間+週末5時間で、合計12〜13時間程度です。これを15週×年4学期×4年で、総学習時間はおおよそ3,000時間前後でした。社会人が本業に加えて確保する数字としては、まあまあ重いですが、不可能ではないレベルだと思います。
詰まった時にやった立て直し方
4年間で、学習ペースが崩れて「もう無理かも」と思った時期が2回ほどありました。そのときに立て直しに効いたのは、派手なテクニックではなく地味な3つの判断です。入学後に詰まったら、この順で試すと効くはずです。
- まず履修数を絞る:4年で卒業するには1学期あたり平均7〜8科目ですが、苦しい学期は5〜6科目に減らす。足りない分は翌学期か長期休暇でリカバリする前提にする
- 動画講義を1.5〜2倍速で視聴する:聞き取れない科目は等倍に戻す前提で、得意科目だけ倍速にする。慣れれば週の視聴時間が3〜4割縮む
- 質問掲示板とオンライン学生コミュニティを使う:1人で考え込まず、同じ科目を履修している社会人学生に聞く。自衛隊出身・看護師・経理など、バックグラウンドの違う学生の視点が意外と効く
「完璧に4年で卒業する」にこだわりすぎると、逆に退学リスクが上がります。実際のところ、休学制度もあるので、無理そうな学期は最初から履修を絞る、あるいは1年間延長して5年で卒業する、くらいの柔軟さで構えた方が、結果的に卒業まで辿り着けます。60点で続ける発想が効きます。
入学前に知っておきたいQ&A
資料請求前後の段階でよく聞かれる質問に、卒業した立場から答えます。
- 本業が忙しいフルタイム勤務でも、本当に4年で卒業できますか?
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現実的には可能です。私は自衛隊・SES勤務のフルタイム期間中も学業を継続しましたが、週12〜13時間の学習時間を確保できるかが分岐点になります。残業が月60時間を超える職場だと、かなり厳しいので、入学前に職場の労働時間を見直すことをおすすめします。
- 卒業までの費用総額はいくらですか?
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単位従量制(履修した単位数で学費が決まる方式)なので、履修計画によって変わります。4年で124単位を履修して卒業する場合、公式サイトのシミュレーションを使って試算するのが確実です。金額は随時変わる可能性があるため、ここでは具体額を書かず、必ず最新の公式情報を確認してください。
- 卒業した学位は、転職市場で評価されますか?
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学位そのものが決め手になることは稀ですが、応募資格の足切りを回避する土台として機能します。高卒のまま応募していたら書類で落ちていた求人にも、学位があるとエントリーできるようになります。詳しくはハブ記事「サイバー大学を卒業した私のリアルな進路」で実体験を書いています。
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サイバー大学を卒業した私のリアルな進路|27歳でDX推進担当になるまで 「サイバー大学を卒業した後、本当にちゃんとした進路に進めるのか」。これから入学しようとする人や、在学中で先が見えない人が一度は検索する言葉だと思います。 結論... - 必要なPC環境はどの程度ですか?
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動画講義の視聴とオンラインテスト、レポート執筆が主なので、Web会議ができる程度のノートPCがあれば十分です。IT系の専門科目でプログラミング演習が入る時期は、メモリ8GB以上・SSD搭載モデルだと快適でした。最新機種を買う必要はありません。
まとめ — 卒業できる人・できない人の分かれ目
サイバー大学の卒業は、「天才でないと越えられない山」ではありません。ただ、社会人として4年走り切るには、設計と継続の工夫が必須です。卒業できた人とできなかった人を見比べて、最後に共通要素を3つ挙げておきます。
- 週の学習時間を固定枠で確保できる(私の場合は平日夜90分+週末5時間)
- 苦しい学期は履修数を絞る判断ができる(完璧主義を捨てられる)
- 卒業後に学位をどう使いたいかを入学時点で60点でいいので決めている(転職・昇進・独立など)
とくに3つ目は重要です。卒業そのものを目的にすると、期末期の苦しさに耐えきれなくなる瞬間があります。「卒業した先で何をしたいか」が明確だと、詰まっても戻ってこられます。
もし、通信制大学の検討段階にいる方で、他校との比較もまだ終わっていないなら、まずは複数校の資料を取り寄せて学費・科目構成・サポート体制を並べて比べるのが、現実的な第一歩です。サイバー大学に限らず、自分の学習スタイルに合う環境を選ぶことが、4年間の継続を一番左右します。
卒業後のキャリアが具体的に気になる方は「サイバー大学を卒業した私のリアルな進路|27歳でDX推進担当になるまで」を、そもそも高卒からSEを目指すルート全体を俯瞰したい方は「【実体験】高卒で就職→兼業学生→SE。遠回りしたからわかったこと」をあわせてお読みください。


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