製造業の現場から、未経験でITに移った人がまず面食らうのが、コードそのものより「会議や雑談で飛び交うカタカナ語」です。
「いったんステージングにデプロイして」「そのプルリク、レビューしとくね」——意味がわからないと、会話に入れず固まってしまう。
この記事は、製造業から未経験でITに移る人向けに、駆け出しが“現場でよく聞く言葉”を、使う場面ごとに地図化します。
※前作「IT用語編」が“コードを書く言葉”(変数・型・API・Git など)でした。今回はその周りで飛び交う“現場の共通語”を扱います。
- 駆け出しが戸惑うのは、コードより「まわりで飛び交うカタカナ語」
- よく聞く言葉は4つの場面(①開発の流れ ②環境とトラブル ③仕事の段取り ④業界の構造)でほぼ網羅できる
- 正確に説明できなくてOK。「今のはどの場面の言葉か」が分かれば、会話についていける
とはいえ、用語に慣れるいちばんの近道は実際に現場へ入ることです。
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そもそも、なぜ「知らない言葉」が多いの?
IT転職して最初の数週間、多くの人がこう感じます。
「コードより、会議や雑談で出てくる言葉がわからない……」
これは工場と同じです。新しい職場の専門用語(「段取り」「治具」「歩留まり」)も、最初は全部わからなくても、現場にいるうちに自然と覚えますよね。
ITの現場用語も、“よく聞く順”に地図を持っておくだけで、ぐっと楽になります。
用語は「正確に説明できる」必要は、まだありません。
「あ、それ聞いたことある」で十分。会話が止まらなくなれば勝ちです。
全部を暗記しなくていい。
大事なのは「どの場面で使う言葉か」を掴むこと。そこさえ分かれば、意味は後からついてきます。
結論:現場用語は「4つの場面」で覚える
バラバラに暗記すると終わりません。「どの場面で使う言葉か」でまとめると、一気に整理できます。
flowchart TD
ROOT["現場で飛び交う“カタカナ語”"] --> S1["① 開発の流れ 🔁
コミット・プルリク・デプロイ…"]
ROOT --> S2["② 環境とトラブル 🧪
本番・ステージング・バグ・デグレ…"]
ROOT --> S3["③ 仕事の段取り 📋
要件定義・工数・タスク・MTG…"]
ROOT --> S4["④ 業界の構造 🏢
SES・SIer・上流/下流・SaaS…"]
style S1 fill:#e8f5e9,stroke:#388e3c
style S4 fill:#e3f2fd,stroke:#1976d2
ここから、場面ごとに「よく聞く言葉」と「ひとことで言うと」を並べます。コードそのものの用語(変数・型・API など)は、姉妹編の学ぶべきIT用語とは?を見てください。

場面①:開発の流れで聞く言葉 🔁
コードを書いてから、ユーザーに届くまでの“流れ”で出てくる言葉です。駆け出しが毎日いちばん聞くゾーンです。
flowchart LR
A["コードを書く
(手元=ローカル)"] --> B["コミット
変更を記録"]
B --> C["プッシュ / プルリク
(PR)"]
C --> D["レビュー
先輩がチェック"]
D --> E["マージ
本流に合流"]
style A fill:#e8f5e9,stroke:#388e3c
flowchart LR
F["ビルド / CI
自動で組み立て・テスト"]
F --> G["デプロイ
ステージング→本番"]
G --> H["リリース
ユーザーに公開"]
style H fill:#e3f2fd,stroke:#1976d2
| 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|
| コミット | 変更に「ここまでやった」と印をつけて記録すること |
| プッシュ | 手元の変更を、みんなの置き場(GitHub等)に上げること |
| プルリク(PR) | 「この変更を取り込んでOK?」とお伺いを立てる依頼 |
| レビュー | 先輩がコードをチェックして指摘・OKを出す工程 |
| マージ | レビューが通った変更を、本流のコードに合流させること |
| ビルド | 書いたコードを、動く形に組み立てること |
| CI/CD | コミットしたら自動でテスト・反映する仕組み |
| デプロイ | 作ったものをサーバーに配置して動かすこと |
| リリース | 完成したものを、実際にユーザーへ公開すること |
※ コミット・プッシュ・マージは「Git」という道具の操作です。無料・日本語の入門書としてGit公式の「Pro Git」が読めます。
場面②:環境とトラブルで聞く言葉 🧪
「環境」と「不具合」まわりの言葉です。ミスが怖い場面ほど飛び交うので、意味だけ先に知っておくと落ち着けます。
| 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|
| ローカル(環境) | 自分のPCの中。自由に試せる作業場 |
| ステージング(環境) | 本番そっくりの“最終確認用”の場所 |
| 本番(環境) | 実際にお客さんが使っている場所。失敗厳禁 |
| バグ | プログラムの不具合・想定外の動き |
| デグレ(デグレード) | 直したら、前は動いていた所が壊れること |
| 障害・インシデント | サービスが止まる・誤作動する重めのトラブル |
| ホットフィックス | 本番の急ぎの不具合を、緊急で直すこと |
| ロールバック | 問題が出たので、1つ前の状態に戻すこと |
環境の3段階は、製造の流れとそっくりです。
ローカル=手元の試作/ステージング=量産試作(ラインで試す)/本番=出荷。いきなり出荷せず、試作で確かめるのは同じ発想です。
場面③:仕事の段取りで聞く言葉 📋
開発“以外”の、プロジェクトを進める言葉です。打ち合わせでよく出てきます。
| 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 要件定義 | 「何を・なぜ作るか」を最初に決める工程 |
| 仕様 | 「どう動くべきか」を具体的に決めた中身 |
| 工数(こうすう) | その作業に「何人で何日かかるか」の見積もり |
| タスク/チケット | 細かく分けた“やること”1件1件 |
| バックログ | これからやるタスクの待ち行列・一覧 |
| アサイン | 「この仕事を誰が担当するか」を割り当てること |
| スコープ | 「今回どこまでやるか」の範囲 |
| 認識合わせ/すり合わせ | 「同じ理解になってる?」を確認する打ち合わせ |
| エビデンス | 「ちゃんとできた」を示す証拠(テスト結果・記録) |
「工数」は、製造現場の“人工(にんく)・段取り見積もり”とほぼ同じ。「何人で何日」を読む感覚は、現場経験者の強みがそのまま効きます。
※「バックログ」はアジャイル/スクラムという進め方でよく使う言葉です。
場面④:業界の構造で聞く言葉 🏢
最後は、IT業界の“地図”そのものを表す言葉です。自分が今どこにいるかを掴むのに役立ちます。
flowchart TD
K["IT業界のしくみ"] --> NAGARE["仕事の流れ"]
NAGARE --> U["上流:要件定義・設計
(何を作るか決める)"]
U --> SHIMO["下流:実装・テスト・運用
(実際に作って動かす)"]
K --> BASHO["働く場所"]
BASHO --> SES["SES/客先常駐
(お客様先で働く)"]
BASHO --> SIER["SIer(受託で開発)"]
BASHO --> JISYA["自社開発/SaaS企業"]
style U fill:#fff3e0,stroke:#f57c00
style SHIMO fill:#e8f5e9,stroke:#388e3c
| 用語 | ひとことで言うと |
|---|---|
| SES | お客様先に常駐して、技術力を提供する働き方 |
| 客先常駐 | 自社ではなく、取引先のオフィスで働くこと |
| SIer(エスアイヤー) | 企業のシステムを請け負って作る会社 |
| 自社開発 | 自分の会社のサービスを作る働き方 |
| 上流/下流 | 上流=要件・設計、下流=実装・テスト・運用 |
| レガシー/モダン | 古い技術・仕組み/新しい技術・仕組み |
| SaaS(サース) | ネット経由で月額などで使うソフト(例:会計クラウド) |
「上流/下流」は、製造の“上流工程・下流工程”と同じ発想です。
駆け出しは、まず下流(実装・テスト)や客先常駐から入って、経験を積んで上流へ——という流れが多いです。次の一歩は客先常駐から社内SE・社内DXへで続きを書いています。
この1枚だけ覚える
- ① 開発の流れ 🔁:コミット→プルリク(PR)→レビュー→マージ→ビルド/CI→デプロイ→リリース
- ② 環境とトラブル 🧪:ローカル<ステージング<本番(=試作→量産試作→出荷)/バグ・デグレ・障害・ロールバック
- ③ 仕事の段取り 📋:要件定義・仕様・工数・タスク/チケット・アサイン・スコープ・認識合わせ・エビデンス
- ④ 業界の構造 🏢:SES・客先常駐/SIer/自社開発・SaaS/上流→下流/レガシー⇔モダン
- 正確に説明できなくてOK。「どの場面の言葉か」が分かれば会話に乗れる。
言葉の地図が手に入ったら、次はその地図を持って現場に入ること。
どんな職場・求人なら未経験でも入れそうかは、未経験に強いエージェントに聞くのが近道です。
\ 何が足りないか、相談だけでもOK /
20代・未経験・第二新卒に強い転職エージェント
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