「未経験でもフリーランスになれますか?」
なれないことはありません。でも、危険というより難易度が高い、というのが正直なところです。
この記事では、勢いで独立して苦しくなった人のリアルな話から、「未経験・経験浅めの独立」で何に気をつけるべきかを整理します。
やまと私の周りには20代前半のフリーランスエンジニアが何人もいます。その中で見ていてヒヤッとした話があります。本人の名前は出せませんが、独立を考えている人にいちばん伝えたいケースなので書きます。
- 未経験・経験浅めの独立は「危険」ではなく「難易度が高い」
- 会社員を辞めてからだと、不利な条件をのまざるを得なくなる
- 自分で決断・行動できない人ほど、会社員よりリスクが高くて旨みが少ない”綱渡り”になりやすい
「危険」じゃなくて「難易度が高い」
まず言葉を分けます。未経験の独立は、危険というより難易度が高い。理由はシンプルで、未経験だと案件に入るための「信用」が足りないからです。クライアントは「この人に任せて大丈夫か」を実績で判断します。実績が薄いと、案件の選択肢が一気に狭くなります。
この「信用が足りない」状態で、しかも会社員という後ろ盾を外してしまうと、何が起きるか。次の話です。
周りで実際にあった話:SES1年で勢いよく独立したら、案件が見つからなかった
その人は、SES1年目で勢いよく会社を辞めて独立しました。ところが、いざ動き始めると、案件がなかなか見つからない。経験1年だと、エージェントから紹介できる案件がそもそも少なかったんです。
ここで効いてきたのが、「もう会社を辞めてしまっている」という事実でした。収入はもう止まっている。早く案件を決めないと生活が回らない。焦りが、判断をどんどん不利にしていきました。
エージェントに「経歴を盛りましょう」と言われ、戻れなかった
そんな状態のとき、エージェントの営業からこう提案されたそうです。「スキルシート、3年目ってことにして出していきましょう」。経歴を盛る提案です。本来なら断るべき話です。でも、もう会社員を辞めていて、収入も止まっている。戻る場所がないから、渋々のむしかなかった。
しかも、最初は「単価60万くらいの案件いけますよ」と言われていたのに、結局入れられたのは50万のところでした。会社員のうちなら「その条件なら独立しません」と言えたはずです。辞めた後だと、その交渉力がない。「辞めてからでは遅い」というのは、こういうことです。
経歴を実態より盛るのは、契約後に実力とのギャップでトラブルになりやすく、信用を失うリスクもあります。この記事は「盛ることを勧める」話ではなく、「焦るとそういう提案ものまざるを得なくなる」という警告です。
エージェントの中抜きは「営業代行料」。営業しないなら乗り換えるべき
ここで、エージェントの仕組みを整理しておきます。エージェントを使うメリットは、自分が苦手な単価交渉や営業を代わりにやってくれることです。その対価として、クライアントが払う額からいくらか中抜きされ、残りが自分の単価になります。つまり中抜きは「営業代行料」なんです。
だとすると、ろくに営業も交渉もしてくれないエージェントに中抜きされ続けるのは、ただ損をしているだけ。本来ならすぐ別のエージェントに乗り換えるべきです。でも、さっきの人はその判断ができませんでした。焦りと「もう辞めてしまった」という事情で、不利な状態に居続けてしまった。
結局、「会社員よりリスクが高いのに旨みが少ない綱渡り」になる
ここがいちばん伝えたいところです。フリーランスは、案件を取る・単価を交渉する・条件が悪ければ乗り換える、という判断と行動を全部自分でやる必要があります。これができる人なら、会社員より上振れする可能性があります。
でも、自分で決断して動けない人がこの状態に入ると、案件は不利な条件でしか取れず、おかしいと思っても乗り換えられず、会社員の安定も信用ももう手放している。つまり、会社員よりリスクが高いのに、会社員より旨みが少ない。これが「綱渡りフリーランス」です。独立の自由を取りに行ったはずが、いちばん不自由な状態になってしまう。
未経験・経験浅めで独立するなら、最低限そろえたいもの
じゃあどうすればいいか。「絶対やめろ」とは言いません。順番の問題です。
- 会社員のうちに、案件に出せる実績を作る(副業・個人開発でもいい)
- 辞める前に、エージェント複数社に登録して相場と紹介可能性を確かめる
- 3〜6か月分の生活費を貯めてから動く(焦りが判断を狂わせる最大要因)
- 経歴は盛らない。盛らずに通る案件があるかで、いまの自分の市場価値を測る
- 「条件が悪ければ断る・乗り換える」を自分で決められるか、辞める前に自問する
特に最後が大事です。フリーランスは、決断と行動の連続です。それを会社員のうちに小さく練習しておくと、独立後の綱渡りを避けられます。まずは副業で月3万円稼ぐ現実的な方法や、未経験からの学習ロードマップで、小さな実績づくりから始めてみてください。




なお、契約条件の明示などは2024年からのフリーランス法(公正取引委員会)で義務化されています。基礎を押さえておくと、不利な条件を見抜きやすくなります(※制度内容は変わることがあるので、必ず公式の最新情報を確認してください)。
よくある質問
- 未経験からフリーランスは絶対無理ですか?
-
無理ではありませんが、難易度は高いです。個人開発などで実績を作ってから動いた人は、未経験でも案件にたどり着いています。「未経験=即独立」が危ういだけです。
- エージェントは使わない方がいいですか?
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使ってOKです。ただし「営業・交渉をちゃんとやってくれるか」で選び、機能していなければ乗り換える前提で。中抜きは営業代行料だと理解しておくと判断しやすいです。
- 会社を辞めてからでも巻き返せますか?
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できなくはないですが、交渉力が落ちます。可能なら、辞める前に案件のあてと生活防衛資金を用意しておく方が、はるかに有利です。
まとめ
未経験・経験浅めの独立は、危険というより難易度が高い。そして、自分で決断・行動できない人ほど、会社員よりリスクが高くて旨みが少ない”綱渡り”になりやすい。辞めてからでは遅い。動くなら、辞める前に準備を。
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