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工業高校で危険物乙種を全類取る意味|社会人で効いた場面

「どうせなら危険物、全類まで取っておけ」――工業高校にいると、一度はそう言われませんか。

私自身、工業高校(電子機械科)で危険物乙種第1・4・5・6類を取り、社会人になってから第2・3類を足して乙種全類までそろえました。先に言うと、危険物乙種は「これだけで人生が変わる資格」ではありません

この記事では、工業高校で資格選びに迷っている人に向けて、乙4だけでいい人・全類まで取る意味がある人の分け方を、全類を取った実体験から整理します。

やまと

私は工業高校(電子機械科)を出て、大手楽器メーカーなどを経て、いまは静岡の地方都市にある地方中小の製造業(アルミダイカスト)でDX推進担当をしています。危険物は乙種全類を持っていて、製造現場でもDXの仕事でも、この知識が地味に効いてきました。その体感をベースに書きます。

この記事の結論
  • 初めて受けるならまず乙4でいい。教材が多く、燃料・油など身近な危険物とつながる
  • 全類まで取る意味があるのは、化学・設備・保全・製造系に進む可能性がある人
  • 在学中の取得はコスパが高い。社会人の資格勉強は想像以上に重い
  • 危険物乙種は主役の資格ではないが、現場の言葉を理解する「補助線」になる
  • 大事なのは「何類を持っているか」より「なぜ取ったか」を説明できること

ここからは、危険物乙種そのものの整理から、全類を取った体験、社会人で効いた場面まで、順番に書いていきます。


目次

工業高校で危険物乙種を全類取る意味はあるのか

工業高校で危険物乙種を全類取る意味はあります。ただし、「全類を取れば就職で強く出られる」という話ではありません。資格ひとつで採用が決まるほど、現実は単純ではないです。

危険物乙種を全類まで取る意味は、主に次の3つです。

意味内容
継続学習の証明1回で終わらず、複数回の試験に向けて勉強できる
安全意識の土台製造・設備・整備の現場で危険物の基礎用語が分かる
進路選択の材料化学・燃料・塗装・設備・保全系に興味があるか試せる

とくに工業高校生にとって大きいのは、在学中なら勉強の環境があることです。先生に聞ける。友達と一緒に受けられる。学校単位で案内が来ることもある。社会人になってから同じことをやろうとすると、仕事の疲れと生活の予定が乗ってきます。

危険物乙種とは何か

危険物取扱者には、甲種・乙種・丙種があります。消防試験研究センターの案内では、甲種はすべての種類の危険物、乙種は第1類から第6類までの各類、丙種は第4類のうち指定された危険物を対象にしています。乙種と丙種は受験資格が不要で、誰でも受験できます。

乙種の分類は、ざっくり言うと次のような分け方です。

区分
第1類酸化性固体塩素酸塩類、過塩素酸塩類など
第2類可燃性固体硫黄、鉄粉、金属粉など
第3類自然発火性物質・禁水性物質カリウム、黄りんなど
第4類引火性液体ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油など
第5類自己反応性物質有機過酸化物、硝酸エステル類など
第6類酸化性液体過酸化水素、硝酸など

工業高校生が最初に聞くのは、たいてい乙4です。ガソリン・灯油・軽油など身近な危険物が多く、求人やガソリンスタンドの話でも出てきやすいからです。

一方で、乙1・2・3・5・6は、普段の生活ではイメージしにくい物質が増えます。ここをどう攻略するかが、全類取得の分かれ目です。

乙4だけでいい人、全類まで取る意味がある人

まず、乙4だけでも十分に意味はあります。危険物乙種を初めて受けるなら、乙4からでいいです。教材が多い。学校でも対策しやすい。身近な燃料や油の話とつながる。最初の1枚としては、いちばん説明しやすい資格です。

では、全類まで取る意味がある人はどんな人か。私は、次のどれかに当てはまる人なら全類を目指してもいいと思っています。

全類を目指してもいい人
  • 化学・材料・設備・保全・製造系に進む可能性がある
  • 資格取得を通じて「勉強を続ける癖」を作りたい
  • 工業高校のうちに履歴書に書ける材料を増やしたい
  • 将来、甲種危険物取扱者の受験資格につなげたい

甲種の受験資格案内では、乙種危険物取扱者免状を4種類以上持っているルートが示されています。つまり、乙種を複数取ることは、上位資格への足場にもなります。受験資格や試験日程は変わることがあるので、公式の最新情報を必ず確認してください。

ただし、全類取得を目的化しすぎるのは違います。大事なのは、資格の数を増やすことではなく、「なぜその資格を取ったのか」を説明できることです。

在学中に取るコスパが高い理由

危険物乙種は、社会人になってからでも受けられます。乙種は受験資格が不要なので、年齢や学歴で止まる資格ではありません。それでも、工業高校在学中に取れるなら、在学中に取ったほうが楽です。

理由は単純で、高校生には「資格の勉強をしても不自然ではない時間」があるからです。授業、放課後、資格補習、友達との勉強、先生への質問。社会人になると、これが一気に消えます。仕事から帰って、風呂に入って、ご飯を食べて、明日の準備をして、そのあとに法令・性質・消火の暗記をする。できなくはないですが、かなり重いです。

やまと

私も社会人になってから乙2・乙3を追加しましたが、高校時代より勉強の腰が重かった記憶があります。同じ資格でも、取るタイミングで負担はかなり変わります。

高校時代と社会人1年目で全類まで取った話

ここからは私の体験談です。工業高校(電子機械科)にいたころ、私は危険物乙種第1類・第4類・第5類・第6類を取りました。ほかにも、3級電子機器組立て技能士、ガス溶接技能講習、QC検定、製図・CAD系の検定などを取っています。

工業高校時代に乙1・4・5・6を取った

当時の自分は、明確に「将来この資格で稼ぐぞ」と考えていたわけではありません。どちらかというと、「工業高校にいるなら、取れるものは取っておこう」くらいの感覚でした。部活もやっていたので、勉強時間が大量にあったわけではありません。試験前に問題集を回して、分からないところを先生や友達に聞いて、受ける。そんな地味な積み重ねです。

大手楽器メーカー時代に乙2・3を追加して全類にした

高校卒業後は、大手楽器メーカーに入社しました。グランドピアノの組立や品質改善活動をしていた時期です。そのころに乙種第2類・第3類を追加で取り、乙種全類までそろえました。

取ってすぐ大きく変わったわけではない

正直に言うと、全類を取った瞬間に仕事が大きく変わったわけではありません。給料が急に上がったわけでもないし、配属が変わったわけでもない。

やまと

ただ、後から効きました。製造現場で安全や材料の話をするとき、「危険物の分類を一度ちゃんと勉強したことがある」という土台があると、話の入り口でつまずきにくいんです。いまDX推進担当をしていても、ITだけでなく安全・設備・材料の感覚があることは助けになっています。

危険物乙種は、主役の資格ではありません。けれど、現場仕事の言葉を理解するための補助線として、じわっと効く資格です。

社会人で効いた場面

危険物乙種が社会人で効いた場面は、主に3つあります。

1つ目は、製造現場で安全の話をするときです。危険物の分類、引火性、酸化性、禁水性といった言葉を聞いたときに、完全な初見ではない。この差は地味ですが、現場では大きいです。現場の人が当たり前に使う言葉に対して、「それ、何ですか?」から入らなくて済むだけで会話が進みやすくなります。

2つ目は、面接や職務経歴の説明です。危険物乙種全類は、それだけで採用の決定打になる資格ではありません。ただ、「高校時代から製造・安全・設備に関わる資格を継続して取っていた」と説明すると、現場系の仕事に対する適性は伝えやすくなります。

3つ目は、DX担当になってからです。製造業のDXは、現場の業務・設備・安全・品質を知らないと進みません。危険物乙種を持っているからDXができる、という話ではありませんが、工業高校時代の資格勉強は、いまの「現場が分かるIT人材」という立ち位置を作る材料のひとつになっています。具体的にどう動いたかは製造業DX担当が未経験から最初にやった作業の言語化に書きました。

おすすめの取得順序

おすすめは、まず乙4です。乙4は教材が多く、学校でも対策しやすく、社会人になってからも説明しやすい資格です。最初の1類としては、乙4が一番扱いやすいと思います。その次は、学校の授業内容や試験日程に合わせて選ぶのが現実的です。私のおすすめ順序は、次のイメージです。

順序取る類理由
1乙4教材が多く、身近な危険物が多い
2乙1 or 乙6酸化性という考え方でつながりやすい
3乙5暗記量はあるが、独立して対策しやすい
4乙2 or 乙3物質のイメージがしにくいので後半に回す

ただし、これは決まった順番ではありません。学校で「次はこの類を団体受験する」と決まっているなら、それに合わせたほうが続きます。資格勉強で大事なのは、理想の順番より、受け切ることです。

勉強法と教材の選び方

危険物乙種の勉強は、最初から完璧に理解しようとしないほうがいいです。おすすめは次の流れです。

  1. まず過去問形式の問題集を1周する
  2. 間違えた問題だけ解説を読む
  3. 法令・性質・消火のうち、苦手分野を分ける
  4. 2周目で「なぜ間違えたか」をメモする
  5. 試験前は暗記事項を絞って反復する

教材は、学校で指定されたものがあるならそれを優先でいいです。独学なら、解説が厚すぎる本より、問題数が多くて解説が短いもののほうが高校生には向いています。危険物乙種は、試験ではまず「選択肢を見て判断できる状態」を作る必要があります。最初から教科書を読み込むより、問題を解きながら覚えたほうが進みやすいです。

落ちやすいポイント

落ちやすいポイントは、だいたい決まっています。

ポイントよくある状態対策
法令数字や用語が混ざる似ている数字を1枚にまとめる
性質物質名だけ暗記して意味が分からない類ごとの性格を先に押さえる
消火どの消火方法がダメかを忘れる「水がダメ」「窒息が効く」など禁止側で覚える
試験日程申し込みを忘れる学校・支部の案内を早めに確認する

とくに乙2・乙3は、物質のイメージが湧きにくくて苦戦しやすいです。私はここを社会人になってから追加で取ったので、仕事後に問題集を開くのがなかなか重かった記憶があります。

注意点:資格より大事なこと

ここまで危険物乙種をすすめるように書いてきましたが、資格より大事なことがあります。それは、資格を取ったあとに「何を学んだ資格なのか」を説明できることです。

履歴書に「危険物取扱者 乙種第1類〜第6類」と書くだけでは、面接官に伝わる情報は限られます。それよりも、次のように説明できたほうが強いです。

  • 工業高校時代に、製造・安全系の基礎資格として継続的に取った
  • 乙4だけで終わらせず、複数類に広げて化学・安全への苦手意識を減らした
  • 社会人になってから足りない類を追加し、全類までそろえた

資格は、取った瞬間より、あとから説明できる形にしたときに価値が出ます。この考え方は資格にかぎらず、現場もDXもやる職人タイプエンジニアの考え方にも通じます。

よくある質問

工業高校生は危険物乙4だけ取れば十分ですか?

まずは乙4で十分です。乙4は教材が多く、燃料・油など身近な危険物とつながりやすいからです。化学・製造・設備・保全系に進む可能性が高い人は、余力があれば他の類まで広げると説明材料になります。

危険物乙種は高校生でも受けられますか?

乙種と丙種は受験資格が不要です。消防試験研究センターの案内でも、乙種および丙種は誰でも受験できるとされています。試験日程や申請方法は都道府県支部ごとに確認が必要です。

全類を取ると甲種も受けられますか?

甲種の受験資格には複数ルートがあります。そのひとつに、指定された組み合わせを満たす乙種4種類以上の免状を持つルートがあります。実際に受ける場合は、消防試験研究センターの最新案内で確認してください。

社会人になってから取っても遅くないですか?

遅くはありません。ただ、働きながらの資格勉強は思ったより重いです。学校で補習や団体受験の環境があるなら、在学中に取れる分は取っておくほうが楽です。

危険物乙種は就職でどれくらい評価されますか?

資格だけで採用が決まるものではありません。ただ、製造・設備・保全・整備系の仕事を目指すなら、安全や材料への関心を説明する材料になります。大事なのは「何類を持っているか」だけでなく、「なぜ取ったか」を話せることです。

まとめ:工業高校で危険物乙種を取る意味

工業高校で危険物乙種を取るなら、まず乙4からで十分です。ただ、製造・設備・保全・整備系に進む可能性がある人、工業高校のうちに勉強習慣を作りたい人、将来の選択肢を少し広げたい人は、全類まで目指す価値があります。

私自身、高校時代に乙1・4・5・6を取り、社会人になってから乙2・3を追加して全類にしました。すぐに給料が上がったわけではありません。でも、製造現場で安全の話をするとき、DX担当として現場とITをつなぐとき、あのとき勉強した言葉があとから効いています。危険物乙種は主役になる資格ではないかもしれませんが、工業高校生が「現場で生きる基礎体力」を作るには、かなりいい教材です。

覚えて帰ってほしい5つのこと
  1. 初めて受けるなら、まず乙4から。教材が多く対策しやすい
  2. 全類は「資格数」ではなく「継続して勉強できる証明」として効く
  3. 取るなら在学中。社会人の資格勉強は想像以上に重い
  4. 試験日程・受験資格は消防試験研究センターの公式情報で確認する
  5. 資格は「なぜ取ったか」を説明できる形にして初めて武器になる

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この記事を書いた人

やまとのアバター やまと DX推進者

元工場・自衛官の社内SEです。
毎日ひたすら開発とブログ記事を書いてます。

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