はじめに
こんにちは、やまとです🏂
工場からITに移り、報酬をもっと上げたい人へ。
報酬の差は、腕の差だけではなく、
値段の付き方の差かもしれません。
読むと、1人月の値段を上げる順番が分かります。
数字が少し多いので、ゆっくり読んでください。
SESで、お客さんの現場に入りました
先に、私がどんな立場を通ってきたかを書きます。
私は工業高校を出て、楽器メーカーの工場で働きました。
グランドピアノを組み立てる仕事です。
その後、陸上自衛隊を経て、23歳でSES企業に入りました。
ITの実務は、まったくの未経験でした。
SESは、技術者がお客さんの現場で開発をする仕事です。
契約は準委任で、お客さんの所に常駐する形が多いです。
公正取引委員会の報告書でも、そう説明されています。
私も、SESの会社の社員として、お客さんの現場に入りました。
そこで約1年10か月、Webの開発に携わりました。
ここで、この記事で使う言葉を1つ決めておきます。
技術者1人が1か月働く分を、「1人月」と呼びます。
SESや開発の仕事では、
この単位で値段を決めることがよくあります。
ただ、会社員の私が受け取るのは、1人月の値段ではありません。
会社から毎月もらう給料です。
1年目の年収は、自衛隊のころより下がりました。
同じ水準に戻ったのは、2年目です。
発注する側と、独立して受ける側に立ちました
25歳で、地方の中小の製造業に移りました。
DXを進める担当です。
そこでは、外注の開発会社とのやり取りも受け持ちました。
SESのころとは反対の、発注する側です。
製造業の現場で役に立ったのは、工場で働いた経験でした。
いまの私は、それをこう言葉にしています。
「全体の業務の流れ、現場の雰囲気を知っていたこと」
現場は、人と人の絶妙なバランスで回っています。
そこへ外から人が入ると、どう思われるか。
私は、それを工場で知っていました。
SESから製造業へ移った話は、次の記事に詳しく書いています。

27歳で、私は独立しました。
いまは、ITの案件を2つ並べて受けています。
仕事は、直接契約で受けています。
2027年の見込みを、会社員の平均と比べてみました。
手取りで、会社員の平均の約2.3倍です。
会社員の年収に直すと、平均給与の約2.5倍です。
比べた平均給与は478万円です。
国税庁の民間給与実態統計調査の、令和6年分の数字です。
どちらも、単身・扶養なしで出した推計です。
私の仕事は仕入れがほとんど無く、
2027年の見込みで、売上の約85%が利益です。
ただ、この数字を見ても、私にはしっくりきませんでした。
「なんで私のような働き方で、こんなにも高額な報酬が得られるのか」
そこで、1人月の値段が何で決まるのかを、
公的な調査で確かめてみました。
「何の仕事か」に加えて「どこで何を任されるか」

まず、役割による差から見てみます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査には、
職種ごとの給与があります。
令和7年の調査で、ITの2つの区分を比べました。
1つは「システムコンサルタント・設計者」です。
もう1つは「ソフトウェア作成者」です。
名前から読むと、前者は設計の側、後者は作る側の区分です。
月の給与の12か月分に、年間賞与を足して目安を出しました。
システムコンサルタント・設計者は、約889万円です。
ソフトウェア作成者は、約578万円です。
およそ1.5倍の差があります。
10人以上の会社で働く人の、男女を合わせた平均です。
平均年齢は、前者が38.3歳、後者が37.1歳です。
年齢の差は、1歳ほどしかありません。
年齢だけでは説明しにくい差だと思います。
どちらも会社員の給与で、1人月の値段そのものではありません。
それでも、任される範囲で報酬が変わることはうかがえます。
次に、商流を見てみます。
商流は、お客さんから仕事が届くまでの会社の並びのこと。
公正取引委員会は、令和4年に公表した報告書で、
ソフトウェア業の取引を調べています。
報告書によると、一定の規模を超える開発では、
外注を重ねる形ができています。
多重下請と呼ばれる形です。
1社だけでは人を集めきれないことなどが、
理由に挙がっています。
報告書は、値段がどう下へ届くかも書いています。
お客さんが払う金額が、上限になります。
仕事を下へ出すたびに、間の会社の分が引かれます。
なので、下の段ほど、受け取る金額は低くならざるを得ません。
工場の部品で考えると、分かりやすいと思います。
同じ部品でも、お客さんに直接納めるか、
間に何社か通して納めるかで、手元に残る額は変わりますよね。
段ごとに何割が引かれるかは、私には分かりません。
その割合を示した公的な調査は、見つけられませんでした。
なので、この記事では割合の数字を出しません。
同じ報告書では、
「中抜き」の業者がいると感じたかも聞いています。
商流に名前だけ入り、実際の仕事をせずに利益を得る業者です。
最終下請の会社では、33.5%が、
「感じたことがある」と答えました。
元請の会社では、18.5%でした。
ただ、間の会社が全部いらないわけではありません。
報告書も、与信などで実際に役目を果たす会社は、
中抜きに数えていません。
最後が、業界と現場の知識です。
ここは統計ではなく、私の経験からの考えです。
同じ報告書では、どの業界向けの仕事が多いかも聞いています。
ソフトウェアの下請の仕事で、売上が最も多いエンドユーザーの業界です。
製造業と答えた会社は21.1%で、IT業の24.3%に次ぐ2番目でした。
製造業のシステムを作るには、現場の業務を知ることが要ると、私は考えています。
工場で働いた人は、その流れを現場で見てきたことが多いと思います。
現場の話が分かる人には、
何を作るかを決める段の仕事が回ってきやすい、
と私は考えています。
私の報酬も、多くはこの3つで説明できると考えています。
単価は、ITの実務と現場の経験で上げました。
受け取る割合(付いた値段のうち、手元に入る分)は、
独立して直接契約することで変えました。
1人月の値段は、「どこで何を任されるか」でも
大きく変わると、私は考えています。
1人月の値段を、3つの順に上げます

ここからは、3つをどう変えていくかを書きます。
前の2つは、私が通った順です。
どれも時間がかかることを、先に書いておきます。
任される範囲を、1つ上の段へ広げる
最初は、作る仕事で実務を積みます。
未経験から、すぐに設計を任されるのは難しいと思います。
作る仕事をしながら、1つ上の段の話に関わっていきます。
同じ画面を作るのでも、聞き方が変わります。
悪い例:「言われた画面を作れば、それで終わり」
良い例:「この画面を、現場の誰がどう使うのかを聞いてから作る」
悪い例のままだと、作る段の仕事しか回ってきません。
良い例を続けると、
何を作るかを決める話に呼ばれやすくなります。
それが、任される範囲が広がるということだと思います。
業界と現場の知識を、仕事の材料にする
次に、工場の経験を材料にします。
1つは、業務の流れを知っていることです。
もう1つは、外から入る人の見られ方を知っていることです。
この2つは、ITに移った後も使えます。
ただ、工場の経験だけでは値段は付きません。
ITの実務と組み合わせて、はじめて材料になります。
悪い例:「工場にいたので、現場のことは分かります」
良い例:「工場でこの工程を見ていたので、この順でデータを取ると現場の手間が減ります」
悪い例は、相手にとって何が良くなるかが見えません。
良い例は、現場の知識がシステムの中身に変わっています。
製造業の現場にITを持ち込む仕事では、
この組み合わせが強みになります。
私は、そう感じています。
商流の段の数を、確かめてから選ぶ
最後が、商流の段の数です。
これは、仕事を選べるようになってからの話です。
まず、自分とお客さんの間に、何社が入っているかを確かめます。
SESの会社にいるなら、
営業の担当の人に聞いてみる方法があります。
転職の面接で、元請の仕事の割合を聞く方法もあります。
公正取引委員会の報告書は、
契約の中身が明確でないことも、問題に挙げています。
間の会社が増えて、話の伝わり方が混乱した例も載っています。
段を減らす道の1つが、独立して直接契約することです。
ただし、独立すると、営業も契約も自分の仕事になります。
仕事が途切れた月は、収入も止まります。
月ごとに収入が変わっても、落ち着いて暮らせるか。
契約や税金の手続きを、自分でやれるか。
この2つに当てはまらないなら、
会社員のまま、元請に近い会社を選ぶ道もあります。
1人月の値段と、手元に残る手取りは違います。
その差は、次の記事で試算しています。

独立するときの単価の決め方と、契約で見るところは、
次の記事にまとめています。

よくある質問
おわりに
工場で働いていた18歳の私に声をかけるなら、
こう伝えます。
報酬は、腕だけでなく、値段の付き方でも変わるよ、と。
あなたは、報酬の差は腕の差だと思っているかもしれません。
でも、どこで何を任されるかでも、値段は変わります。
まず、任される範囲を1つ上の段へ広げます。
次に、工場の経験を仕事の材料にします。
近道ではありません。
でも、1つずつ変えていけば、値段は動かせると考えています。
報酬の分け方の全体は、次の記事に書いています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。






コメント