「副業を始めたいけど、自分には売れるものなんて何もない」
工場で働いていたり、現場仕事をしていたりすると、こう思うことはないでしょうか。「自分には手を動かす仕事しかできない」「パソコンで何かを作るなんて無理」。そう感じて、副業の入口で止まってしまう人は多いです。
この記事では、現場で働いてきた人に向けて、AIツール「Claude Code」を使って副業の前にまず「自分の経験を棚卸し」する方法を、現場からITに移った私の目線で解説します。いきなり稼ぐ話ではなく、その手前のいちばんつまずきやすいところの話です。
やまと私は高卒で工業高校(電子機械科)を出て、大手楽器メーカーでグランドピアノを組み立て、そのあと陸上自衛隊で車両整備をしていた、いわゆる現場側の人間です。いまは静岡の地方都市にある地方中小の製造業でDX推進担当をしながら、副業でも小さなアプリを作っています。最初の一歩は、AIに「自分のことを整理してもらう」ところからでした。その体感をベースに書きます。
- Claude Codeは稼ぐ道具というより、自分の経験を整理する作業相棒
- 副業の最初の一歩は商品作りではなく、「自分の棚卸しダッシュボード」を作ること
- CLAUDE.mdでAIに作業ルールを覚えさせると、毎回説明しなくてよくなる
- Plan Modeは初心者ほど効く。丸投げではなく主導権を持てる
- AIに任せても、最終的に判断し責任を持つのは自分
順番に見ていきます。まずは、多くの人がつまずく「そもそも何を売ればいいか分からない」問題から。
副業でつまずくのは「作り方」より「何を売れるか」が見えないこと
副業の入門記事を読むと、たいてい「ブログを書こう」「SNSを伸ばそう」「ポートフォリオを作ろう」と書いてあります。でも、現場で働いてきた人がまず詰まるのは、その手前です。
- ブログを書けばいい?……何について?
- SNSを頑張る?……何を発信する?
- そもそも、自分に売れるものなんてあるの?
ここで止まってしまう人を、私は何人も見てきました。というか、私自身がそうでした。実は、いきなり「商品」や「サービス」を作ろうとするから苦しくなります。順番が逆なんです。
先にやるべきは、自分がこれまでやってきたことを、いったん全部ならべて見える形にすること。これを棚卸しと呼びます。Claude Codeは、この棚卸しの相棒として、けっこう向いています。
Claude Codeは“エンジニア専用”じゃない
「Claude Code」と聞くと、プログラマー向けの難しい道具に見えます。名前からしてコード(プログラム)と付いていますし。でも、できることはもっと広いです。文章を整理したり、ファイルに保存したり、簡単なWebページを作ったりもしてくれます。
ここで、いまのAIには大きく2タイプあることを知っておくと分かりやすいです。
- チャット型AI(ChatGPTなど)
-
相談窓口のような存在。質問すると文章で答えてくれるが、結果は自分でコピーして使う。
- エージェント型AI(Claude Codeなど)
-
現場の担当者のような存在。頼むと自分で作業し、ファイルとして保存までしてくれる。
たとえば「この文章を整理して」と頼むと、チャット型は整理した文章を画面に出すだけ。エージェント型のClaude Codeは、整理した内容をファイルとして勝手に保存してくれる。この「成果物が手元に残る」のが大きな違いです。
つまりClaude Codeは、いきなりアプリを作る道具というより、作業フォルダの中で、AIと一緒に成果物を育てていく道具だと思ってください。Claude Codeをデスクトップで使った体感はClaude Code Desktopを試したら作業能率が爆あがりした話でも書いています。


Claude Codeを使うには有料プランの契約が必要です(2026年5月時点)。料金や提供条件は変わることがあるので、契約前にかならず公式サイトで最新の内容を確認してください。AIツールは進化が速いので、まずは月額プランで様子を見るのが無難です。
まず作るのは「自分の棚卸しダッシュボード」
副業初心者が最初に作るものとしておすすめなのは、商品ページでもLP(販売ページ)でもありません。自分の情報を一枚にまとめた、棚卸しダッシュボードです。
入れる内容は、たとえばこんな感じ。
- プロフィール
-
経歴、いまの仕事、得意なこと
- やってきた仕事
-
現場での作業、改善した経験、後輩指導など
- 強み
-
よく人に頼られること、続けてこられたこと
- 副業候補・次の行動
-
Web制作、文章、資料作り、現場知識の発信/記事を1本書く、サンプルを1つ作る
これを作っていくと、「自分には何も売れない」と思っていた人ほど、意外と素材が出てきます。現場で当たり前にやっていたことが、外から見ると立派な強みだったりするからです。私自身、生成AIがあったから、一人でもDX推進できた話でも書いたとおり、現場知識とAIの組み合わせは強い武器になります。


flowchart TD
A[自分の経験を棚卸し] --> B[強み・できることが見える]
B --> C[誰のどんな悩みを助けられるか]
C --> D[小さな成果物を1つ作る]
D --> E[反応を見て次を決める]
style A fill:#eef,stroke:#88a
style B fill:#efe,stroke:#0a8
style D fill:#fed,stroke:#d84



正直に言うと、楽器メーカーでピアノを組み立てていた頃も、自衛隊で車両整備をしていた頃も、「この経験が副業に使えるなんて」とは思っていませんでした。でも棚卸ししてみると、楽器メーカーのQCサークルで工場長の前まで改善発表をした経験や、自衛隊で後輩を指導した経験は、どれも「人に伝える」「現場を良くする」という立派な素材だった。当たり前すぎて自分では気づけないんですよね。
CLAUDE.md=AIへの「作業引き継ぎ書」
ここからは少し実践的な話です。Claude Codeには「CLAUDE.md」という仕組みがあります。これは、このフォルダで何をするのか、どんなルールで作業してほしいのかをAIに伝えておくファイルです。
現場の人には、こう言うと早いかもしれません。CLAUDE.mdは、新しく入った人に渡す「作業手順書」みたいなものです。一度書いておけば、毎回ゼロから説明しなくても、AIがその場の文脈を理解しやすくなります。
# このフォルダの目的
副業ブログの記事案・構成・下書きを管理する。
# 想定読者
現場仕事をしている20代〜30代。副業や学び直しに興味がある人。
# 文体
やさしく、現実的に。煽らない。経験ベースで語る。
# 作業ルール
記事を書く前に、必ず読者の悩み・結論・見出し構成を整理する。
これを置いておくと、次から「この記事案を作って」と言うだけで、ブログの方向性に合わせて考えてくれます。
/init で作業フォルダを理解させる
Claude Codeには /init というコマンドがあります。専門用語を抜きにして言うと、「このフォルダ、何の作業場か見ておいて」とAIに頼むコマンドです。副業用に使うなら、最初にこんなフォルダを作ります。
fukugyo/
├── profile.md … 自分のプロフィール
├── ideas.md … 記事ネタ
├── past-posts.md … 過去の発信メモ
└── CLAUDE.md … 作業ルール
このフォルダで /init を実行すると、Claude Codeが中身をざっと読んで「ここは副業準備の作業場なんだな」と理解しやすくなります。
Plan Mode は初心者ほど効く
私がいちばん「初心者こそ使ってほしい」と思っているのが、Plan Mode(プランモード)です。これは、作業を始める前にAIが計画を立て、こちらが承認するまで実際のファイルをいじらないという仕組みです。
なぜ初心者に効くのか。AIに慣れていないと、こうなりがちだからです。
- 何を頼めばいいか分からない
- AIが勝手に作ったものを見て「なんか違う」となる
- 修正を何度も繰り返して時間が溶ける
- 最終的に何を作っていたのか分からなくなる
Plan Modeを使うと、AIが先に「こういう手順で進めます」と出してくれます。そこで人間が「ここは違う、こうして」と確認できる。丸投げではなく、自分が編集者として主導権を持てるんです。たとえば、こう頼みます。
この記事を副業ブログ向けに作りたいです。
いきなり本文を書かず、まずPlan Modeで
読者像・結論・見出し構成・必要な体験談・注意点を整理してください。



私もDX推進の仕事や副業の開発でAIを使い始めた頃は、いきなり「これ作って」と丸投げして、出てきたものを見て「なんか違う」を繰り返していました。先に方針をすり合わせるようにしてからは、手戻りが減って一気に速くなった。AIに任せる前に、自分が何を作りたいかを言葉にする工程がいちばん大事だと感じています。
Claude in Chrome は便利だが、慎重に
Claude Codeには、ブラウザ(Chrome)を操作できる「Claude in Chrome」という機能もあります。ページを開いたり、リンクが動くか確認したりできます。ただ、便利な一方で使いどころに注意が必要です。ブラウザ操作は処理の負担が大きく、相手のサイトに迷惑をかけたり、サービスの規約に触れたりする可能性もあるからです。
最初のうちは、自分のもの限定で使うのが安全です。
- 自分のブログページの表示確認
- ボタンやリンクが動くかの確認
- 自分のポートフォリオサイトの見直し
- 他人のサイトを大量に巡回する
- SNSやECサイトを自動で監視する
- ログイン情報や個人情報を安易に渡す
副業に使うなら、まずこの3ステップで十分
ここまでをふまえて、最初の一歩は次の3つだけで十分です。
「私のプロフィールを整理して、profile.md として使える形にしてください。経歴・得意なこと・できること・今後やりたいことに分けてください」と頼む。
過去メモを渡して「テーマ別に分類し、よく発信している内容、読者に役立ちそうなテーマ、副業にできそうな内容を抽出して」と頼む。
「整理したものをもとに、副業準備用のダッシュボードを1ページのHTMLで作って。強み/発信テーマ/記事ネタ候補/副業候補/今週やること/注意点を入れて」と頼む。
これだけでも、けっこう実用的な「副業準備ツール」になります。
「AIで稼ぐ」より先に「AIで自分を整理する」
最近は「AIで月◯万円」「未経験からAI副業」みたいな言葉をよく見ます。でも、最初から稼ぐことだけを考えると、たいてい続きません。手応えがないまま、何を作ればいいか分からず止まってしまうからです。具体的な組み込み方は生成AIを副業に組み込む始め方にまとめています。
先に必要なのは、こういう整理です。
- 自分は何ができるのか
- どんな経験があるのか
- 誰の、どんな悩みを助けられそうか
- どのくらいの作業なら続けられるのか
- AIに任せる部分と、自分が見る部分はどこか
Claude Codeは、この整理を「ファイル」と「成果物」に変えてくれます。だから副業初心者にとっては、AIに稼がせる道具というより、自分の棚卸しを手伝ってくれる作業相棒と考えるほうが現実的です。



私の副業も、最初から「稼ぐぞ」と始めたわけではありません。フルリモートの孤独感からオンラインコミュニティに入って、周りに話を合わせたくて手を動かしはじめた、というのが本当のところです。そこから自分の作れるものを少しずつ整理していって、屋号を立てて開業届を出すところまで来ました。順番としては、稼ぐより先に「自分には何ができるか」の整理が来ていたんです。
注意点:AIに任せても、責任は自分に残る
最後に、これだけは言っておきたい注意点です。Claude Codeは便利ですが、すべてを信じてはいけません。
- 作られた文章は、かならず自分で読む
- コードや設定は、意味をある程度確認する
- 個人情報や機密情報は、安易に入れない
- 外部サイトの操作は、規約を確認する
- 副業で使う場合、納品物の責任は自分が持つ
特に副業では、「AIが作ったので分かりません」は通用しません。AIは作業を速くしてくれますが、最終的に判断するのは自分。ここを外さなければ、AIはかなり頼れる相棒になります。
よくある質問
- プログラミングが全くできなくても使えますか?
-
はい。この記事で紹介した「プロフィール整理」「メモの分類」「ダッシュボード作り」は、ふつうの日本語で頼むだけです。コードを書く必要はありません。
- 無料で使えますか?
-
Claude Codeの利用には有料プランの契約が必要です(2026年5月時点)。金額や条件は変わるため、契約前に必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
- いきなり副業で稼げますか?
-
この記事は「稼ぐ前の準備」がテーマです。まず自分の経験を棚卸しして、小さな成果物を1つ作るところから始めるのが現実的です。合う・合わないも人によって違うので、無理のない範囲で試してください。
この記事のまとめ
- 副業の最初の一歩は、商品作りではなく「自分の棚卸し」
- Claude Codeで、プロフィール整理→メモ分類→ダッシュボード作成をやってみる
- 丸投げして「なんか違う」を防ぐため、Plan Modeで先に方針をすり合わせる
- Claude in Chromeは便利だが、最初は自分のサイト確認に限定する
- AIに任せても、判断と責任は自分。ここを外さなければ頼れる相棒になる
副業は「何者かになる」ことよりも、いま持っている経験を、誰かに役立つ形へ変えることから始まります。いきなり商品を作る前に、自分の情報を整理してみてください。それだけでも、自分が何を発信できるのか、どんな仕事に変えられそうかが、少しずつ見えてきます。
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