「自衛隊で働きながら、通信制大学なんて続けられるのかな」
通信制大学を考えるとき、いちばん不安なのはここですよね。学費でも難易度でもなく、「最後まで走りきれるか」。
先に結論を言ってしまうと、卒業できるかどうかは気合や根性じゃないんです。履修の負荷をどう配分するか、どの順番で取るかでほぼ決まります。
私は自衛隊で働きながらサイバー大学(IT総合学部)に入学して、途中で退職・転職をはさみながら、標準の4年・合計124単位で卒業しました。
この記事では、実際にどんなペースで・どんな順番で単位を取っていったのかを、学期ごとの数字つきで公開します。
同じ「不規則勤務」という意味で、工場の交代勤務・夜勤と並行する社会人にもそのまま使えるはずです。
たっくん陸曹教育隊や警衛勤務とぶつかったら、課題が回らなくなりそうで怖いんですよね。



その不安は当然です。私もそうでした。
ただ、続けられたのは気合のおかげじゃなくて、「忙しい時期にあらかじめ軽くしておく」履修の組み方を最初に決めていたからです。順番に話していきますね。
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結論:続けられるかは「気合」ではなく「仕組み」で決まる
通信制大学を途中でやめてしまう人って、能力が足りないわけじゃないんですよね。たいていは「ペース配分でつまずく」だけなんです。
最初に飛ばしすぎて息切れする。逆に忙しい時期に無理して、課題がたまって嫌になる。この波の付け方を最初に設計しておくと、ぐっと続けやすくなります。
私の4年間も、毎学期おなじペースで取っていたわけじゃありません。多いときと少ないときの差は、10単位から20単位まで。この上げ下げと取る順番に、続けるためのコツが全部詰まっています。
4年間の履修ペースを全部公開します(自衛隊在籍中→SES転職を挟む・124単位)
ここが、この記事のいちばん大事なところです。きれいごとじゃなく、実際の数字を出しますね。
| 学期 | 科目区分 | 単位数 |
|---|---|---|
| 2020年度春学期 | 専門基礎(必修) | 4単位 |
| 専門基礎(選択) | 4単位 | |
| 教養(必修) | 1単位 | |
| 教養(選択) | 7単位 | |
| 外国語(必修) | 2単位 | |
| 合計履修単位:18単位 合計修得単位:18単位 | ||
| 2020年度秋学期 | 専門基礎(必修) | 2単位 |
| 専門基礎(選択) | 6単位 | |
| 教養(選択) | 10単位 | |
| 外国語(必修) | 2 単位 | |
| 合計履修単位:20単位 合計修得単位:20単位 | ||
| 2021年度春学期 | 専門基礎(必修) | 4 単位 |
| 専門基礎(選択) | 2 単位 | |
| 教養(選択) | 2 単位 | |
| 外国語(必修) | 2 単位 | |
| 合計履修単位:10単位 合計修得単位:10単位 | ||
| 2021年度秋学期 | 専門基礎(必修) | 6 単位 |
| 専門基礎(選択) | 6 単位 | |
| 教養(選択) | 4 単位 | |
| 外国語(必修) | 2 単位 | |
| 合計履修単位:18単位 合計修得単位:18単位 | ||
| 2022年度春学期 | 専門応用(選択) | 6 単位 |
| 専門基礎(選択) | 4 単位 | |
| 教養(必修) | 1 単位 | |
| 教養(選択) | 3 単位 | |
| 合計履修単位:14単位 合計修得単位:14単位 | ||
| 2022年度秋学期 | 専門応用(選択) | 12 単位 |
| 専門基礎(選択) | 8 単位 | |
| 合計履修単位:20単位 合計修得単位:20単位 | ||
| 2023年度春学期 | 専門応用(選択) | 10 単位 |
| 専門基礎(選択) | 8 単位 | |
| 合計履修単位:18単位 合計修得単位:18単位 | ||
| 2023年度秋学期 | 専門応用(選択) | 4 単位 |
| 卒業研究(必修) | 2 単位 | |
| 合計履修単位:6単位 合計修得単位:6単位 | ||
合計すると18+20+10+18+14+20+18+6=124単位。
日本の4年制大学の卒業要件はだいたい124単位以上なので、8学期で過不足なく着地した形です。
数字を見てもらうと分かるとおり、毎回おなじペースじゃないんですよね。
ここに、続けるための判断が隠れています。柱は4つです。
柱① 序盤に「貯金」を作る(朝6:00ルーティンで2020春18→秋20単位)
入学初年度から18→20単位と飛ばしています。
これ、根性で頑張ったというより、後半に余白を作るための前借りなんです。
気力も時間もあるうちに多めに取っておくと、あとで忙しくなったときに楽になります。
入学した年は、1日のなかに勉強時間をこまかく散りばめていました。
- 朝 6:00 起床・6:30〜8:00(約1.5時間):
掃除・朝食をすませたあと、課業開始までの時間でPCに向かう。
まわりが二度寝している時間なので静か。 - 昼休み 30分:
。1本15分の動画を1〜2本流す - 夜 19:00〜点呼・就寝まで(約3.5時間):
体力錬成・風呂を終えた後、ここがメインブロック。
動画+小テスト or レポート or ディベートを一気に - 土日:
8時間ぶっ通しで進める日も作る。
前倒しできる科目を消化して貯金タイム!



朝6時起きと夜3時間半は、自衛隊にいる人なら無理なくできる範囲ですね。



新隊員教育と比べたら全然楽ですよね。
序盤の貯金は、自衛隊の時間構造とむしろ相性がいいんです。
柱② 忙しい時期は迷わず引く(第3陸曹教育隊と重なって10単位に圧縮)
2021年春だけ、10単位までガクッと落としています。
これは私が第3陸曹教育隊(陸曹教育の集合教育)に入る時期と重なって、どうしても時間が取れなかったから、自分から軽くしたんです。
具体的には、必修科目を優先して選択科目をぐっと絞ること。
専門基礎の必修など「取らないと前に進まない科目」だけは確保しました。
それ以外の選択は思いきって後ろに回し、履修総量を10単位まで圧縮したんです。
そうすると週5〜8時間くらいで回せて、教育隊と並行でもなんとか両立できたんです。
ここがいちばん伝えたいところで、続けるコツは「頑張る時期を決めること」じゃなくて「引く時期を決めること」なんですよね。無理して全部こなそうとすると折れます。
忙しい学期は最初から軽く組む。これだけで挫折率はかなり下がります。



工場の繁忙期や夜勤連が重なる学期でも、同じ考え方ですか?



そのまま使えます。
シフト表で「次の期に夜勤連が来る週」「繁忙期の残業確定週」を先に拾って、その学期の履修総量を最初から薄く組むだけです。
柱③ 時間が読めたら攻める/最後は絞る(退職→SES転職後20単位)
2022年秋に、いちばん重い20単位を取っています。
しかもこれ、自衛隊を退職してSESに移り、働き始めて半年が経った学期なんです。
なぜここで攻めたかというと、転職して仕事に慣れて、自分の使える時間が読めるようになったから。
やみくもに頑張ったんじゃなくて、「これくらいなら回せる」と見通しが立ったタイミングで上げています。
逆に最後の2023年秋は6単位まで絞って、卒業研究に一点集中しました。
ちなみに卒業研究(ゼミナール)には、「100単位以上を先に修得していること」「IT総合学基礎のマイクロクレデンシャルを取っていること」など複数の前提条件があります。
最終学期に集中したいなら、3年生までに必要単位を積んでおく必要があるんです。
詳しい前提条件と履修登録の組み方は、別記事にまとめました。


単位の取り方は、一定じゃなくていいんです。自分の状況に合わせて波を作る。
これが4年で走り切るコツでした。
ちなみに自衛隊を辞めた理由は、2021年夏に陸曹教育隊を終えたあと、武器学校行きの話が出てきて4年での卒業計画が崩れそうになったことが大きいです。
「武器学校でブランクができれば、確実に卒業ペースが落ちる」と判断して、2022年3月に退職しました。
この経緯は別記事で詳しく書いています。


柱④ 取る「順番」にも設計がある(基礎→応用/外国語は前半で)
量とは別に、もうひとつ大事なのが「取る順番」です。
履修の中身を科目区分で並べてみると、最初の2年(2020〜2021年度)は専門基礎・教養・外国語が中心でした。
土台になる科目をここで固めています。
この「基礎を先に固めて応用は後半」という順番は、私個人の判断ではありません。
サイバー大学の公式カリキュラムマップ(PDF)で、専門基礎は1・2年次配当、専門応用は3年次以降配当と明示されています。
そして2022年度から、専門応用がぐっと増えて主役になります。
ちなみにこれ、当たり前のようで大事なんですよね。
専門応用の科目って、基礎を取っていないと内容についていけないんです。
先に基礎で地ならしをしておいたから、後半に専門応用をまとめて取れた。
外国語の必修も前半のうちに片付けています。
「どの順で取るか」を意識すると、後半の負荷が一気に楽になります。
1週間あたりの勉強時間の目安(体感)
どのくらい時間がいるのか、いちばん気になりますよね。
私の体感ですが、目安はこんな感じでした。
| 学期の重さ | 1週間の勉強時間の目安(体感) |
|---|---|
| 18単位の学期 | 週9〜14時間 |
| 20単位前後の重い学期 | 週11〜17時間 |
| 10単位に絞った学期(2021春など) | 週5〜8時間 |
※あくまで私個人の感覚値です。科目の難易度や得意分野によって変わります。
ポイントは、1日単位ではなく1週間でまとめて配分すること。
不規則勤務だと「毎日◯時間」を守るのは不可能なので、週合計で帳尻を合わせるイメージで組むほうが現実的です。
隙間時間で学習を回す習慣(講義はスマホ・作業はPC/試験対策は早めに)
ペース配分の次は、毎日の回し方ですね。
通信制はオンデマンド授業が中心です。
だから、「いつ・どこで見るか」を生活に組み込めるかどうかが勝負になります。
授業を見る場所は、自衛隊時代は基本的に営内でPC。
退職してSESで働くようになってからは、分け方を変えました。
通勤中はスマホで講義動画だけ流す。
小テストやレポートは帰宅後にPCで仕上げる。これだけです。
場所と端末を「講義はスマホ・作業はPC」と切り分ける。
これだけで、移動時間や昼休みがそのまま学習時間に組み込めます。
リズムとしては、講義を見たらできるだけすぐに課題までやってしまうようにしていました。
あいだを空けると内容を忘れちゃうので、視聴と課題はワンセットです。
そして試験の時期は、だいぶ前からスタンバイしてスケジュールを組んでいました。
サイバー大学の授業は1本15分の動画が4本(計60分)+小テスト or ディベート or レポート課題、という構成です。
普段の受講だけでも時間がいるんですが、中間・期末はプレッシャーもあるし、まとまった対策時間が必要になります。
- 営内の仲間に協力してもらう:試験日は静かな部屋を譲ってもらう、雑用を交代してもらうなど
- 娯楽室を借りる:個室で集中できる時間を確保(事前に申請)
- 実家帰省のタイミングを使う:休暇と試験期間をかぶせて、自宅でしっかり対策する
履修登録そのもの(一斉開講と逐次開講の使い分け、3段救済、4年/6年/共通科目先行の3パターンなど)制度面のもっと細かいルールについては、別記事にまとめました。
入学前や1〜2年生のうちに目を通しておくと、迷う場面が一気に減ります。


続けるための仕組みづくり(孤独対策/目的を最初にはっきりさせる)
通信制でいちばんつらいのは、孤独なんですよね。仲間の顔が見えないので、ひとりで進めるしかありません。



周りに同じ立場の人がいないのも結構きついですよね。



地味だけど、一番効きます。
私が現役だった頃、サイバー大学に通う同期は知る限りいませんでした。
だからSNSや通信制大学のオンラインコミュニティで、社会人で勉強している人を見るだけでも効きます。
自衛官じゃなくていい。働きながら学んでいる人が他にもいる、という事実が支えになります。
もうひとつ、自分の進捗が「見える」状態を作るのも効きます。
私の場合は取った単位が積み上がっていく履修記録を見るのが、一番のモチベーション維持でした。
「ここまで来たんだから」と思える。
そして正直に書くと、私には「辞めたい」と思った瞬間がほぼありませんでした。
AIについて専門的な知識を身につけたかったし、ついでに学位も取りたかった。
この目的がはっきりしていたから、目の前の課題に意味を感じられて、迷わずに済んだんだと思います。
逆に言うと、続けるための最大の仕組みは「なぜ入ったのか」を最初にはっきりさせておくことかもしれません。
目的が濃いほど、検閲期や警衛勤務明けで時間が削られても焦らずに済みます。
「今は無理でも、来週やればいい」と落ち着いて構え直せるんです。
続いている人と、途中で止まる人の差を、私の見てきた範囲で3観点に絞ると、こんな感じです。
| 観点 | 続いている人 | 途中で止まる人 |
|---|---|---|
| 動機の明確さ | 卒業後の使い道を1行で言える | 「とりあえず大卒が欲しい」で止まっている |
| 学習の捉え方 | 完璧主義を捨てている | 100点でないと意味がないと感じる |
| 体調管理 | 検閲・演習・夜勤明けに無理しない | 明けの日でも勉強で詰めようとする |
自分の生活リズムと学習スケジュールが噛み合うかは、サイバー大学の資料で1週間の学習モデルと開講形式を確認するのが手っ取り早いです。
\ 不規則勤務でも進められる学習スケジュール /
サイバー大学が自分に合うか迷うなら、放送大学との比較もあわせて確認してみてください。


不規則勤務の社会人は自衛官だけではありません。工場の交代勤務・夜勤と並行で大学を続けたい方、あるいは「いまの現場仕事がきつくて、学び直しと並行で次を考えたい」方は、仕事選びそのものを先に見直す選択肢もあります。


まとめ:完璧じゃなくていい、続く形を先に作る
社会人が通信制大学を卒業できるかは、能力の問題じゃありません。負荷の配分と取る順番を最初に設計できるか、それだけなんですよね。
- 序盤に少し貯金を作る
- 忙しい学期は迷わず引く(必修優先で総量を絞る)
- 時間が読めたら攻める、最後は絞る
- 基礎科目を先に固めて、後半に専門応用へ
- 勉強時間は1日でなく1週間で配分する
- 「なぜ入ったのか」を最初にはっきりさせる
私はこの組み立て方で、働きながら4年・124単位を走り切れました。
途中で計画が崩れて退職を選んだ人間ですが、入学を決めたあの判断は、いま振り返って間違いではなかったと思っています。
完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
続く形を先に作っておけば、ちゃんとゴールにたどり着けますよ。
学費の総額・奨学金・回収の現実は、こちらの記事で別途まとめています。


授業形式と単位取得の流れを、実際の資料で確認しておくと、自分の生活に当てはまるかの判断材料になります。
\ 授業形式と単位取得の流れを確認 /



まずは資料を見てみます。気合じゃなくて仕組みで続けるって、ちょっと希望が見えました。



入学前に「自分に合うか」を確認できるのは資料だけなので、判断材料を増やすつもりで見てみてください。
以上、やまとでした。
FAQ
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