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子どものうちに身につけたい「判断力」というソフトスキル

「うちの子、流されやすくて自分で何も決められない」

勉強を先にするか、ゲームを先にするか。友達に流されて悪ふざけをするか、やめておくか。部活の苦しい練習を続けるか、相談するか。子どもの毎日には、実はたくさんの判断があります。継続力と並んで、子どものうちから少しずつ育てたいのが「自分で考えて選ぶ力」=判断力です。

この記事では、小中高生のお子さんを持つ保護者と、進路や生活で迷っている学生に向けて、「がんばる力」と並ぶもう一つのソフトスキル「判断力」を、子どものうちから鍛えるための具体的な3習慣を解説します。

やまと

私は工業高校(電子機械科)→大手楽器メーカー→陸上自衛隊→SES企業→地方中小の製造業(アルミダイカスト)でDX推進担当と、何度か進路を切り替えてきました。17歳のときの「とりあえずこの道」という判断と、20代後半で「やめて方向転換する」と決めた判断、どちらも自分で選んだという感覚があったから、結果に責任を持てた気がします。判断力は子どものうちから少しずつ鍛えられるソフトスキルです。

この記事の結論
  • 判断力は「正解を当てる力」ではなく「自分で考えてよりよい選択をする力」。間違えても育つ
  • 継続力はアクセル、判断力はハンドル。アクセルだけ強く踏んでも危険
  • 「やめる判断」も大事な力。「向いていないから辞める」と「すぐ投げ出す」は別物
  • 育てる3習慣は「すぐ決めず一度立ち止まる」「理由を言えるようにする」「結果を振り返る」
  • 判断力がある子は、自分の人生を人任せにしない。これが将来の選択肢を広げる

前回(子どもの継続力)の記事と合わせて読むと、「がんばる力」と「選ぶ力」の両輪が見えてきます。順番に解きほぐします。


目次

判断力とは「正解を当てる力」ではない

判断力というと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「今の状況を見て、自分で考えて、よりよい選択をする力」のことです。

大事なのは、判断力は「いつも正解を選べる力」ではないということ。子どものうちは間違えてもいい。むしろ、間違えながら覚えていくものです。文部科学省の学習指導要領でも「思考力・判断力・表現力」は3本柱の一つに位置付けられていて、点数の良し悪しではなく「自分で考えて選ぶ過程」自体が学びとされています。

大事なのは、何も考えずに流されるのではなく、「なぜ自分はそうしたのか」「次はどうすればよかったか」「この選択をしたら、あとでどうなるか」と考える習慣を持つことです。

継続力だけでは、うまくいかないこともある

継続力は大切です。でも継続力だけが強くて判断力が弱いと、苦しくなることがあります。例えば、自分に合わないやり方で勉強を続けている場合。毎日長時間机に向かっているのに全然内容が頭に入らない、それなのに「続けることが大事だから」と同じやり方を続ける──これは努力しているように見えますが、少しもったいない状態です。

この場合に必要なのは「勉強時間を増やすべきか」「やり方を変えるべきか」「暗記ではなく問題演習を増やすべきか」「誰かに教えてもらうべきか」と考える判断力です。

部活でも同じ。練習を頑張ることは大切ですが、ケガをしているのに無理をして続ければ、もっと悪くなるかもしれません。そのときに必要なのは根性だけではなく、「今日は休むべきか」「先生に相談すべきか」「病院に行くべきか」「別メニューで練習すべきか」と考える力です。

つまり、継続力はアクセル、判断力はハンドル。アクセルだけ強く踏んでもハンドルがなければ危険です。どちらも大切。

判断力がないと、人に流されやすくなる

子どものうちは、友達の影響を強く受けます。友達がやっているから自分もやる、みんなが笑っているから自分も笑う、仲間外れにされたくないから本当は嫌でも合わせる──こういうことは誰にでもあります。

でもここで判断力がないと、自分にとってよくない選択をしてしまうことがあります。例えば、誰かをからかう、先生に隠れてルールを破る、勉強をサボる、危ないことを面白がってやる。その場では楽しいかもしれないけれど、あとで誰かを傷つけたり、自分が怒られたり、信頼を失ったりするかもしれません。

判断力がある子は、その場の空気だけで動きません。「これは本当にやっていいことかな」「相手は嫌な気持ちにならないかな」「あとで困ることにならないかな」と、一度立ち止まって考えます。この「一度立ち止まる力」は、大人になってからも周りに流されずに自分で考えられる人の核になります。

やまと

私の場合、工業高校時代に「友達がみんな就職するから自分も就職」と流されたことを、今でもよく思い出します。それ自体は悪い選択ではなかったけれど、自分で「なぜそうするのか」を考えていなかった分、社会人1年目で迷走しました。判断には「自分の理由」を持たせるのが、後悔を減らすコツです。

判断力は、失敗しながら育つ

判断力は急に身につくものではありません。最初からうまく判断できる子はいないし、大人でも間違えます。だから子どものうちは小さな判断をたくさん経験することが大切です。今日の宿題をいつやるか、お小遣いを何に使うか、休日に何を優先するか、苦手な教科をどうやって勉強するか、友達とけんかしたあとどう仲直りするか──こうした小さな選択の積み重ねが判断力を育てます。

そして失敗したときこそチャンスです。ゲームを先にやりすぎて宿題が遅くなった、お菓子を買いすぎて本当に欲しい物が買えなくなった、友達に強い言い方をして気まずくなった──こうした経験をしたときに、ただ怒られて終わるのではなく「次はどうすればよかったかな?」と考えることが大切。失敗は判断力を鍛える材料になります。

「やめる判断」も大切な力

続けることは大事ですが、何でもかんでも続ければいいわけではありません。習い事を始めたけれどどうしても合わない、部活で頑張っているけれど心や体を壊しそうになっている、勉強方法を続けているけれどまったく成果が出ない──こういうときに、ただ「続けなきゃ」と思い込むのは危険です。

必要なのは、逃げることと、見直すことを分けて考える力。「面倒くさいからやめたい」のか「本当に自分に合っていない」のか「やめる前に改善できることはあるのか」「誰かに相談した方がいいのか」──これを考えるのが判断力です。

やめることは必ずしも悪いことではありません。ただし、何も考えずにすぐやめるのではなく理由を考えること。「なぜやめたいのか」「やめた後に何をするのか」「続けた場合とやめた場合でどう違うか」──ここまで考えられるようになると、ただの逃げではなく、自分で選んだ判断になります。

判断力を育てるために大切な3つの習慣

判断力を育てるために、特別な才能はいりません。毎日の中で次の3つを意識するだけでも変わります。

すぐに決めず、一度立ち止まる

何かを選ぶとき、すぐに決めるのではなく一度考える習慣を持つ。「本当にこれでいいかな」「あとで困らないかな」「ほかの選択肢はないかな」──この数秒の立ち止まりが判断力を育てます。

理由を言えるようにする

「なんとなく」だけではなく、「宿題を先にやれば、あとで安心して遊べるから」「今日は疲れているから短い時間だけ集中して勉強する」「この習い事は好きだけど、今の先生とは合わないから相談する」──理由を言えると、自分の判断を振り返りやすくなります。

結果を振り返る

「この選択はよかったか」「次も同じでいいか」「次は少し変えた方がいいか」──選んで終わりではなく、選んだあとに振り返ることで判断力は少しずつ上手になります。

判断力がある子は、自分の人生を人任せにしない

判断力が育つと、自分の人生を少しずつ自分で動かせるようになります。もちろん子どものうちは親や先生の助けが必要だし、すべてを一人で決める必要はありません。でもいつまでも誰かに言われた通りに動くだけでは、自分で考える力が育ちません。

「自分はどうしたいか」「どちらを選ぶと後悔が少ないか」「今の自分にとって大切なことは何か」──こうした問いを少しずつ考えることが、将来の大きな力になります。大人になれば、進学・就職・働き方・人間関係・お金の使い方など、たくさんの判断をすることになります。そのときに必要なのは、誰かに正解を教えてもらう力ではなく、自分で考え、選び、その結果を受け止め、次に活かす力です。

まとめ:続ける力と、選ぶ力を両方育てよう

継続力は大切です。でも継続力だけでは足りません。どの努力を続けるのか、どのやり方を変えるのか、いつ相談するのか、いつ休むのか、いつ別の道を選ぶのか──それを考える力が判断力です。

子どものうちは、たくさん迷っていい。失敗してもいい。間違った選択をしてあとで反省することも大切な経験です。大切なのは、何も考えずに流されるのではなく、自分の頭で考えること。継続力は前に進む力、判断力は進む方向を選ぶ力。この2つがそろったとき、人はただ頑張るだけではなく、よりよい方向に成長していけます。

関連記事:進路の判断軸・大人版判断力

進路選択の判断軸と、大人になってから判断力を鍛え直す方法は、こちらの記事をどうぞ。

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この記事を書いた人

やまとのアバター やまと DX推進者

元工場・自衛官の社内SEです。
毎日ひたすら開発とブログ記事を書いてます。

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