将来の仕事のこと、正直まだよくわからないですよね。勉強もそこまで得意じゃないし、やりたいこともはっきり決まってない。でも、「変な会社に入って後悔するのだけは避けたい」って思いませんか?
僕も高校生のとき、そんな感じでした。暇な時間はYouTubeやゲーム実況見て過ごして、進路のことは「まあ、なんとかなるでしょ」って先延ばしにしてました。でも、いざ就職を考える年齢になったとき、「ブラック企業」という言葉を知って、ちょっと不安になったんです。
この記事では、「将来ブラック企業に入らないために、高校生の今から知っておきたいこと」を、できるだけわかりやすく解説します。難しい話は抜きにして、実際に使える見分け方だけをギュッとまとめました。
ブラック企業って、結局どんな会社なの?
まず「ブラック企業」って、具体的にどんな会社を指すのか。実は、厚生労働省(国の労働を管理する機関)も、はっきりとした定義は出していません。ただ、一般的な特徴として以下の3つを挙げています。
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
もうちょっと噛み砕いて言うと、こんな感じです:
- 長時間労働が当たり前:毎日終電まで働かされる、休日も出勤させられる
- 給料が異常に低い・残業代が出ない:働いた分のお金がもらえない
- パワハラが横行:上司が怒鳴る、理不尽な命令をする
- すぐ人が辞める:環境が悪いから、次々と社員が辞めていく
要するに、「法律を守らず、働く人を大事にしない会社」のことです。
ちなみに、厚生労働省は実際に労働基準法違反で送検された企業のリストを公開しています。これが俗に言う「ブラック企業リスト」です。興味がある人は「労働基準関係法令違反に係る公表事案」で検索してみてください。
もしブラック企業に入ってしまったら…?
想像してみてください。高校を卒業して、やっとの思いで入った会社が、実はブラック企業だったら。
毎日朝から夜遅くまで働かされて、休みは月に数日だけ。給料は安いのに、残業代は「やりがいで補え」と言われて払ってもらえない。上司からは理不尽に怒鳴られて、相談できる先輩もどんどん辞めていく…。
こんな環境だと、心も体も壊れてしまいます。実際、ブラック企業が原因で精神的に追い込まれて、仕事を続けられなくなる人も少なくありません。
ブラック企業では、パワハラやセクハラが横行しがちです。ハラスメントについては厚生労働省で例と概念を挙げています。身体・精神への攻撃や個の侵害、人間関係の破壊もハラスメントです。
だからこそ、「入る前に見分ける力」が大事なんです。
高校生でもできる!5つのチェックポイント
ここからが本題です。将来、就職活動をするときに「この会社、大丈夫かな?」と判断するための、具体的なチェックポイントを5つ紹介します。
チェックポイント①:求人票の「残業時間」をチェック
求人票(会社が出す募集の紙やネットの情報)には、だいたい「想定される残業時間」が書いてあります。ここをまずチェックしましょう。
目安:月45時間以上は要注意
労働基準法では、残業時間の上限は原則として「月45時間、年360時間」と決まっています。つまり、月45時間を超えるような残業が常態化している会社は、かなり働かせすぎです。
労働基準法によって定められた法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間です。時間外労働や休日労働が必要な場合、会社は36協定を締結して、労働基準監督署に届け出なければなりません。
引用元:ブラック企業はどう見分ける?定義やケース別の見分け方を徹底解説
また、「みなし残業」「固定残業」という言葉にも注意が必要です。これは「最初から〇〇時間分の残業代を給料に含めておくよ」という制度なんですが、悪用されると「残業代込みで給料高く見せてるだけ」というケースもあります。
もし求人票に「固定残業45時間」とか書いてあったら、「この会社、最初から毎月45時間残業させるつもりなんだな」と思った方がいいです。
チェックポイント②:「年間休日数」は114日以上?
次にチェックしたいのが「年間休日数」です。
厚生労働省の調査によると、企業の年間休日数の平均は約114日とされています。つまり、114日より極端に少ない会社は、休みが少ない可能性が高いです。
年間休日数が114日以上なら、ホワイト企業。平成31年度の厚生労働省の調査によると、年間休日数の平均は【114.7日】とのこと。
引用元:【決定版】求人票の見方|もうブラック企業にダマされない
あと、求人票で「週休2日制」と書いてあるのを見たら、ちょっと注意してください。「完全週休2日制」と「週休2日制」は違います。
- 完全週休2日制:毎週必ず2日休める
- 週休2日制:月に1回以上、2日休める週がある(他の週は1日だけの可能性も)
「週休2日制」だけの記載だと、実は毎週2日休めるとは限らないんです。ここは間違えやすいポイントなので、しっかり確認しましょう。
チェックポイント③:求人票の「キラキラ言葉」に注意
求人票を見ていて、やたらと「アットホームな職場です!」「夢を叶えられる環境!」「やりがいたっぷり!」みたいな言葉が並んでいたら、ちょっと立ち止まってください。
求人票に「アットホーム」と載せている企業は、避けましょう。なぜなら、その企業には「アットホーム」の他に魅力が無いからです。
引用元:【こんな求人票は要注意!】ブラック企業のやばいキーワード7選
本当に良い会社なら、「給与〇〇円」「年間休日〇日」「福利厚生充実」といった、具体的な数字や制度で魅力をアピールできるはずです。
逆に、具体的なことが書けない会社は、「雰囲気」や「やりがい」といった曖昧な言葉でごまかそうとしている可能性があります。
他にも注意したいキーワード:
- 「若い世代が活躍!」→ベテランがすぐ辞める会社かも
- 「幹部候補生募集!」→誰でも幹部候補と言って採用してる可能性
- 「未経験でも高収入!」→ノルマがキツい営業職かも
こういう「耳障りはいいけど、具体性がない」言葉には要注意です。
チェックポイント④:給与の「幅」が広すぎないか
求人票の給与欄を見たときに、「月給20万円〜100万円」みたいに、やたらと幅が広い表記になってたら警戒しましょう。
求人票の給料は「〇〇〜〇〇円」のようにかなり広範囲で記載されている事が多いです。ですが、基本的に1番低い額で考えておきましょう。
引用元:【こんな求人票は要注意!】ブラック企業のやばいキーワード7選
現実的には、ほとんどの人が「一番低い額」からスタートします。100万円は、よっぽど実績を出し続けた人だけの話。そして、その実績を出すために、無理なノルマや長時間労働を強いられるケースも多いんです。
また、給与が「固定残業代込み」の場合も注意が必要です。例えば「月給25万円(固定残業代5万円含む)」と書いてあったら、実質の基本給は20万円です。そして、毎月確実に残業させられることを前提にしている、ということでもあります。
チェックポイント⑤:ネットで会社名を検索してみる
最後に、一番簡単で効果的な方法。気になる会社があったら、会社名でネット検索してみることです。
特にチェックしたいのが、厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」。これは、労働基準法違反で実際に送検された企業のリストです。
検索の仕方:
- Googleで「労働基準関係法令違反に係る公表事案 令和〇年」と検索
- 厚生労働省のサイトが出てくるので、PDFファイルをダウンロード
- 自分が気になる会社名がないか確認
もしこのリストに載っていたら、その会社は過去に法律違反をして、国から公表されたということです。
いわゆるブラック企業リストとは、正式名称は「労働基準関係法令違反に係る公表事案」であり、厚生労働省が公表している資料のことです。
引用元:厚生労働省のブラック企業リスト(2020~2021)の傾向や有用性と問題点を完全整理
また、口コミサイトで会社名を検索してみるのも有効です。実際に働いていた人の声が見られるので、リアルな情報が手に入ります。ただし、口コミは個人の感想なので、複数の意見を参考にするのがポイントです。
今から準備できる3つのこと
ここまで「ブラック企業の見分け方」を紹介してきましたが、「結局、今の自分に何ができるの?」って思いますよね。
高校生の今からできる準備を、3つだけ紹介します。
①労働基準法の基本を知っておく
難しいことは覚えなくていいです。最低限、この3つだけ覚えておいてください。
- 1日8時間・週40時間が労働時間の基本
- 残業の上限は原則、月45時間・年360時間
- 最低賃金は都道府県ごとに決まっている
これだけ知ってれば、「この会社、法律守ってないな」って判断できます。
最低賃金は厚生労働省のサイトで確認できます。自分が住んでいる地域の最低賃金をチェックしておくと、給料が異常に安い求人を見破れます。
②「自分が絶対に譲れないこと」を決めておく
正直、完璧な会社なんてありません。給料がいい代わりに残業が多かったり、休みは多いけど給料が安かったり。
大事なのは、自分にとって何が一番大切かを決めておくことです。
- 残業は少ない方がいい?それとも多少残業してでも稼ぎたい?
- 給料と休日、どっちを優先する?
- 人間関係が良い職場がいい?
これは人によって答えが違います。ゲーム実況やアニメが好きなら、「プライベートの時間が確保できる会社」を優先してもいいわけです。
自分の価値観を知っておくだけで、企業選びがすごくラクになります。
③進路選択で「企業研究」の時間を取る
いざ就職活動が始まったとき、「早く決めなきゃ」って焦ってしまうと、ブラック企業に引っかかりやすくなります。
だから、余裕を持って企業研究する時間を取りましょう。
- 高校の進路指導の先生に相談する
- 親や知り合いに「この会社知ってる?」と聞いてみる
- ハローワーク(国が運営する就職支援機関)を活用する
特にハローワークは無料で使えるし、求人の相談にも乗ってくれます。地元の企業情報もたくさん持ってるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ:完璧じゃなくていい、まずは「知ること」から
ここまで読んでくれてありがとうございます。
正直、将来のことなんて、今はまだぼんやりしてて当たり前です。僕もそうでした。勉強が得意じゃなくても、やりたいことが決まってなくても、全然問題ありません。
ただ、「ブラック企業の見分け方」を知ってるだけで、将来の選択肢がグッと広がります。いざ就職活動をするときに、「あ、この会社ヤバそうだな」って気づけるだけで、大きな失敗を避けられます。
今回紹介した5つのチェックポイントを、頭の片隅に置いておいてください。
- 残業時間(月45時間以上は要注意)
- 年間休日数(114日以上が目安)
- キラキラ言葉に注意
- 給与の幅が広すぎないか
- ネットで会社名を検索
完璧に覚える必要はありません。「なんかそんなこと聞いたな」くらいで十分です。
そして、もし将来迷ったときは、信頼できる大人(先生、親、ハローワークの人)に相談してください。一人で抱え込まないことが、一番大事です。
あなたの将来が、少しでも良いものになることを願っています。


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