「奨学金を借りるかどうか、正直迷っていませんか?」
進学するかも決まってないし、将来やりたいこともよく分からない。でも親からは「大学どうする?」って聞かれるし、周りは進路の話をし始めてる。奨学金のこともよく分からないけど、「借金」って聞くとなんか怖いし…。
そんな風に感じているなら、この記事はあなたのために書きました。
私自身、奨学金を借りて大学に行った一人です。正直に言うと、高校生の時は「奨学金=借金」っていう漠然とした不安しかなくて、返済のリアルなんて全然想像できませんでした。
この記事では、「奨学金を借りるべき」とも「借りない方がいい」とも言いません。ただ、実際の返済額や生活への影響を知った上で、あなたが自分で判断できるようになるための情報をお伝えします。
今は決められなくても大丈夫。まずは「知ること」から始めましょう。
奨学金返済の「リアル」を数字で見てみる
まず、奨学金って実際にいくら借りて、いくら返すことになるのか。具体的な数字で見てみます。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を例にすると、こんな感じです:
【貸与型奨学金(第二種)の例】
- 月5万円×4年間(48ヶ月)=240万円借りた場合
- 返済期間:15年(180回払い)
- 月々の返済額:約13,300円
- 利子含めた総返済額:約240〜260万円
「月13,300円か、なんとかなりそう」と思いましたか?それとも「けっこう大変そう」と感じましたか?
正直、答えは人それぞれです。社会人1年目の手取り給料が月17〜18万円くらいだとすると、そこから家賃、光熱費、食費、通信費を引いて、さらに奨学金を返済する。余裕があるとは言えない生活になります。
私の友人は、奨学金を月1万5千円返済しながら一人暮らしをしていますが、「飲み会は月1回までって決めてる」「服はほとんど買わない」と言っていました。遊びたい盛りの20代前半で、結構我慢してるなと感じます。
一方で、別の友人は「奨学金のおかげで大学行けたし、今の仕事に就けたから後悔してない。返済はきついけど、借りてよかった」とも言っていました。
実際に返済している人の生活
もう少し具体的に見てみましょう。
【ケース1:IT企業で働くAさん(26歳)】
- 借入総額:300万円(月5万円×4年+大学院2年)
- 月々の返済:16,600円
- 手取り給料:月23万円
Aさんは実家暮らしなので、なんとか返済できているそうです。ただ、「一人暮らししたいけど、奨学金があるから踏み切れない」と言っていました。結婚も考えているけど、相手にも奨学金があったら、二人で月3万円以上返済することになる。それを考えると不安だ、と。
【ケース2:地元企業で働くBさん(24歳)】
- 借入総額:200万円(月4万円×4年+少し)
- 月々の返済:11,100円
- 手取り給料:月18万円
Bさんは一人暮らしで、家賃5万円のアパートに住んでいます。「正直、毎月カツカツ。貯金はほとんどできてない」とのこと。車のローンも重なって、趣味のゲームも新作はすぐに買えなくなったそうです。
ただ、Bさんはこうも言っていました。「大学行ってなかったら今の会社に入れなかったし、選択肢はもっと狭かったと思う。返済は大変だけど、借りたこと自体は後悔してない」
「借りるべきか、借りないべきか」の判断基準
ここまで読んで、「やっぱり奨学金って大変そう」と思ったかもしれません。でも、逆に「それくらいなら何とかなるかも」と感じた人もいるかもしれない。
どっちが正解、ということはありません。
ただ、判断するための基準はいくつかあります。
奨学金を借りる意味がある人:
- やりたいことが明確で、大学(専門学校)に行く必要がある
- 大卒じゃないと就けない職業を目指している(教師、看護師など)
- 家庭の経済状況的に、借りないと進学が難しい
奨学金を借りない方がいい場合:
- 「なんとなく大学」で明確な目的がない
- 卒業後に返済できるか不安(就職が厳しい分野など)
- 親が学費を出せる余裕がある
ただし、これも絶対じゃありません。私の場合、高校生の時は「やりたいこと」なんて全然分からなかったけど、大学に行ってから興味のある分野を見つけました。逆に、明確な目標を持って進学した友人が、途中で進路変更したケースもあります。
人生、計画通りにはいかないものです。
進学するかどうかも含めて考えていい
ここで一つ、大事なことを言わせてください。
「大学に行く=正解」ではありません。
もしあなたが「正直、勉強も好きじゃないし、大学行く意味が分からない」と感じているなら、無理に進学する必要はないと思います。
高卒で就職して、手に職をつけている人もたくさんいます。専門学校で2年間学んで、即戦力として働いている人もいます。一度働いてからお金を貯めて、自分で学費を払って大学に行った人もいます。
進路は一つじゃない。
「周りが進学するから自分も」「親が大学行けって言うから」という理由だけで奨学金を借りるのは、正直おすすめしません。なぜなら、返済するのはあなた自身だから。
今の時点で「まだ決められない」なら、それでいいんです。焦らなくていい。
ただ、「何も考えずに時間だけが過ぎる」のはもったいない。少しずつでいいから、情報を集めて、自分なりに考えてみる。それが大事だと思います。
今の君ができる「小さな一歩」
「将来のこと、考えなきゃいけないのは分かってるけど、何から始めればいいか分からない」
そう感じているなら、今日からできる小さな行動を4つ紹介します。どれも5分〜30分あればできることです。
1. 奨学金シミュレーターを見てみる
JASSOの公式サイトには、「奨学金貸与・返還シミュレーション」があります。
「月にいくら借りたら、卒業後にいくら返済するのか」が具体的に分かります。スマホでも見られるので、YouTubeを見る合間にでもチェックしてみてください。
数字で見ると、漠然とした不安が「具体的なイメージ」に変わります。
2. 親と「お金の話」をしてみる
「学費のこと、親に聞きづらい」という気持ち、分かります。でも、いつかは話さないといけない話題です。
最初から「大学の学費どうするの?」って聞くのがハードル高いなら、こんな聞き方はどうでしょう:
「奨学金のこと、友達が話してたんだけど、うちってどうなの?」
これなら、ちょっとカジュアルに切り出せるかもしれません。親も、あなたが進路について考え始めたことを知って、話しやすくなると思います。
3. 好きなこと(ゲーム・アニメ)を仕事にできないか調べてみる
「ゲーム実況やアニメが好き」って、実はすごく大事なヒントです。
ゲーム業界で働く人、アニメ制作に関わる人、YouTubeで生計を立てている人。そういう仕事も、ちゃんと存在します。
まずは「ゲーム業界 仕事」「アニメ 職種」とかで検索してみてください。「こんな仕事があるんだ」って発見があるかもしれません。
もちろん、好きなことを仕事にするのは簡単じゃないし、必ず成功するわけでもない。でも、「自分が少しでも興味を持てる分野」を知っておくことは、進路を考える第一歩になります。
4. 進路相談の先生に「まだ決まってない」と正直に話してみる
これが一番ハードル高いかもしれませんね。でも、実は先生たちは「決まってない生徒」をたくさん見てきています。
「やりたいことが分からない」「進学するか就職するか迷ってる」と正直に伝えれば、意外と親身になって話を聞いてくれるはずです。
もしかしたら、「こういう選択肢もあるよ」って、あなたが知らなかった道を教えてくれるかもしれません。
まとめ:答えは急いで出さなくていい
ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
「奨学金は借りるべきか?」という質問に、明確な答えは出せませんでした。なぜなら、答えは一人ひとり違うからです。
ただ、一つだけ確実に言えることがあります。
将来が不安なのは、あなただけじゃない。
高校2年生で、将来のことが全部決まってる人の方が少ないです。みんな、なんとなく不安を抱えながら、少しずつ自分の道を探しています。
焦らなくていい。でも、「何も考えない」のはもったいない。
この記事で紹介した「小さな一歩」でいいので、何か一つでも行動してみてください。奨学金シミュレーターを見るだけでも、親と少し話すだけでも、それは立派な一歩です。
あなたの将来は、あなたが決めていい。誰かの正解じゃなく、自分の納得できる選択を。
この記事が、少しでもあなたの役に立てたら嬉しいです。


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