17歳の俺へ。
今、お前は将来のことで頭がいっぱいだと思う。勉強もあまり得意じゃないし、やりたいことがはっきり見えてないから、漠然とした不安を抱えているんじゃないか。部活も帰宅部で、暇な時間はゲーム実況動画やYouTube、アニメを見て過ごしてる。「仕事とか、正直したくないんだけど…」って思ってるよな。
わかる。俺もそうだった。
でも今、30歳を超えた俺から17歳の自分に伝えたいことがある。それは、「好きなことを仕事にする」って夢は素晴らしいけど、知っておくべき現実もあるってことだ。
俺は高校時代、本気で野球選手になりたかった。でも結局、三菱重工で戦車を作りたいと思い、それも現実的じゃなくてトヨタ自動車を目指し、最終的には河合楽器という上場企業に就職した。
この記事では、俺が17歳の頃に知っておきたかったことを、正直に書いていく。
俺も17歳の時、野球選手になりたかった
高校時代、俺は野球に夢中だった。毎日練習して、試合に出て、チームメイトと勝利を目指す。あの時間は本当に楽しかったし、「プロ野球選手になりたい」って本気で思っていた。
でも、現実が見えてきたのは高校2年生の終わり頃だったと思う。
自分の実力と、プロになるために必要なレベルの差を、痛いほど感じた。周りにはもっと上手い選手がたくさんいたし、プロのスカウトが来るような選手とは明らかに違った。
「好き」だけじゃ、プロにはなれない。
それを知った時、正直めちゃくちゃ落ち込んだ。でも同時に、「じゃあ、次は何をしよう?」って考え始めた。
夢が変わっていく過程で気づいたこと
野球がダメだと分かった後、俺は「モノ作り」に興味を持ち始めた。特に、戦車とか重機械みたいな、でかくて力強いものを作ることに憧れて、三菱重工で働きたいと思うようになった。
でもこれも、調べていくうちに「理系の大学に行って、専門知識を身につけないと厳しい」って現実を知った。俺の学力じゃ、正直そこまでの大学に行くのは難しかった。
次に目指したのがトヨタ自動車。自動車メーカーなら、製造職でも入れるかもしれないと思った。でもこれも、競争率が高くて、簡単に入れるもんじゃなかった。
最終的に、俺が就職したのは河合楽器という楽器メーカーの上場企業だった。ピアノとか電子楽器を作る会社で、正直、野球選手とも戦車とも全然違う。でも今思えば、「モノ作り」っていう軸は一貫していたんだと気づく。
ここで気づいたことがある。
「好き」の形って、どんどん変わっていくんだ。
野球選手になりたいって思ってたのは、「野球が好き」だけじゃなくて、「チームで何かを成し遂げる達成感が好き」だったのかもしれない。戦車を作りたいって思ったのは、「大きなものを動かす技術に魅力を感じてた」からかもしれない。
つまり、表面的な「野球」「戦車」っていう対象じゃなくて、その奥にある「何が好きなのか」を見つけることが大事なんだと、後から分かった。
「好きを仕事にする」って、実際どれくらいの人ができてるの?
さて、ここで少し現実的な話をしよう。
「好きなことを仕事にしたい」って思ってる人は多いけど、実際にそれができてる人ってどれくらいいると思う?
ニュースサイトSirabeeが行った調査では、10〜60代の男女1,501名のうち、28.4%が「好きなことを仕事にしている」と回答しました。
出典:好きなことを仕事にする4つの方法|メリット・デメリットも解説 – Mivoo
約4人に1人。つまり、75%の人は「好きなこと」を仕事にできていないってことだ。
でも、興味深いのはここから。
そして、好きなことを仕事にした人たちが、良かったと感じているか、後悔しているのかを調査した結果もあります。その調査(キャリズムが100人を対象に調査)によると、「よかったと思っている」と回答した人が83%、「後悔している」と回答した人が17%となっており、8割以上の人が好きなことを仕事にして良かったと感じています。
出典:「好き」だけでは絶望?好きなことを仕事にするな?仕事の選び方をプロが解説 | すべらない転職
好きなことを仕事にできた人の83%は、「よかった」と思ってるんだ。
これを見ると、「好きなことを仕事にする」こと自体は、決して悪いことじゃない。むしろ、それができれば幸せに働ける可能性が高いってことだ。
でも、「好き」だけじゃ食えないのも事実
ただし、ここで忘れちゃいけないのは、「好きなことを仕事にするハードル」がめちゃくちゃ高いってこと。
例えば、歌が好きで歌手になりたいという人がいても、歌が下手な場合、歌手には適していないし、社会的ニーズはありません(成功できない)。
出典:「好き」x「得意」をキャリアに活かす方法とメリット – Career Coach Yoshie
これは、俺が野球選手を諦めた時に痛感したことでもある。
好きなことを仕事にするには、次の3つが揃わないと厳しい。
- 才能・適性:そのことに向いているか
- 情熱:本当に好きで、努力し続けられるか
- 市場ニーズ:それでお金を稼げるか
この3つのうち、1つでも欠けると、「好きなこと」を仕事にするのは難しくなる。
17歳の君に知っておいてほしい3つのこと
ここからは、俺が17歳の自分に伝えたい、具体的な3つのことを話そう。
① 「好き」の形はいくらでも変わる
さっきも書いたけど、俺は野球選手→戦車製造→自動車メーカー→楽器メーカーと、目指すものがどんどん変わっていった。
最初は「野球選手になる」って明確な目標があったけど、それが叶わないと分かった時、次の「好き」を探した。そして、それもダメだったら、また次を探した。
これは「諦めた」んじゃなくて、「自分の好きを更新していった」んだと思う。
大事なのは、「好き」を細分化して考えること。
例えば、お前が今「ゲーム実況動画を見るのが好き」だとする。それを細分化すると、
- 人が何かをプレイしてる様子を見るのが好き
- ゲームの攻略法を知るのが好き
- 実況者のトークが面白くて好き
- コミュニティで盛り上がるのが好き
みたいに、いろんな要素に分けられる。
「ゲーム実況者になる」って目標も一つだけど、「ゲームの攻略サイトを運営する」「ゲーム会社でテスターになる」「配信プラットフォームの企画をする」みたいに、別の形でも「好き」を仕事にできるかもしれない。
「好き」の形は一つじゃない。
これを知っておくだけで、進路の選択肢はめちゃくちゃ広がる。
② 「好き」と「得意」は違う
もう一つ、俺が気づいたのは、「好き」と「得意」は全然別物だってこと。
俺は野球が好きだったけど、プロになれるほど得意じゃなかった。これが現実。
逆に、俺は「人と話すこと」がそこまで好きじゃなかったけど、営業の仕事を始めたら意外と得意だった。お客さんとコミュニケーションを取るのが苦じゃなくて、成果も出せたんだ。
「好きなことと得意なことのどっちを仕事にすればいいの?」答えはどちらか一方を選ぶのではなく、両方をかけ合わせることです。かけ合わせることによってレバレッジがかかり、自分が一番力を発揮できる最強の仕事が見つかります。
出典:「好き」x「得意」をキャリアに活かす方法とメリット – Career Coach Yoshie
「好き」と「得意」の両方が揃ってる仕事が見つかれば最高だけど、どちらか一方しかない場合、まずは「得意」を優先するのも一つの手だと思う。
なぜなら、得意なことで成果を出せれば、それが自信になって、「好き」に変わることもあるから。
③ 複数の選択肢を持っておくことの大切さ
俺が17歳の頃に一番後悔してるのは、「一つの夢に固執しすぎた」ことだ。
野球選手になれなかった時、正直、何も考えてなくて焦った。次に何をすればいいのか、全然分からなかった。
もし、あの時に複数の選択肢を持っていたら、もっとスムーズに次のステップに進めたと思う。
プランBを持つことで、心の余裕が生まれる。
「野球がダメでも、次はこれがある」って思えるだけで、プレッシャーが減るし、冷静に判断できる。
だから、今のお前にも言いたい。
一つの進路に絞りすぎないで、3〜5個くらいの選択肢を用意しておこう。
今、君ができる具体的なアクション
ここまで読んで、「じゃあ、実際に何をすればいいの?」って思ってるかもしれない。
ここからは、今すぐできる具体的なアクションを3つ紹介する。
まずは「好き」を棚卸ししてみる
まず、自分が何に時間を使ってるか、観察してみよう。
お前は今、ゲーム実況動画やYouTube、アニメを見てる時間が多いんだよな。それ自体は全然悪いことじゃない。むしろ、そこに「好き」のヒントが隠れてる。
やってほしいのは、「何が面白いのか」を分解すること。
例えば、
- ゲーム実況で一番面白いと思う瞬間は?
- YouTubeでどんな動画をよく見る?(解説系?エンタメ系?)
- アニメのどんなシーンが好き?(バトル?日常?感動シーン?)
こういうのを、紙に書き出してみるといい。
「趣味がないし、自分の好きなことがよくわからない・・」という方もいますよね。その場合、まずは何でもいいので好きなことを最低30~50個程書き出してみてください(できれば100個!)。
出典:「好き」x「得意」をキャリアに活かす方法とメリット – Career Coach Yoshie
最初は「そんなに書けないよ」って思うかもしれないけど、やってみると意外と出てくる。
「ラーメンが好き」「寝るのが好き」「猫の動画が好き」とか、何でもいい。とにかく書き出してみる。
そうすると、自分が何に興味を持ってるのか、パターンが見えてくる。
「それを仕事にするなら」を想像してみる
次に、書き出した「好き」を見ながら、「これを仕事にするなら、どんな現実が待ってるか」を想像してみよう。
例えば、「ゲームが好き」なら、
- ゲーム開発:プログラミングや数学の知識が必要
- ゲームデザイナー:デザインやストーリーを考えるスキルが必要
- eスポーツプレイヤー:トップレベルの実力と、毎日の練習が必要
- ゲームライター:ゲームの知識と、文章を書くスキルが必要
みたいに、それぞれの仕事には「必要なスキル」や「現実的なハードル」がある。
ここで大事なのは、「無理だ」って諦めることじゃなくて、「じゃあ、何をすればいいのか」を考えること。
もし、ゲーム開発に興味があるなら、プログラミングの勉強を始めてみる。もし、ゲームライターに興味があるなら、ブログを書いてみる。
「好き」を仕事にするための「道筋」が見えてくれば、漠然とした不安は減る。
複数の進路を比較検討してみる
最後に、一つに絞らず、3〜5個の選択肢を用意しよう。
例えば、
- 専門学校でゲーム開発を学ぶ
- 大学に進学して、IT系の勉強をする
- 就職して、安定した収入を得ながら趣味でゲームに関わる
- まず短大や専門学校で基礎を学んで、その後の進路を考える
- アルバイトしながら独学でスキルを身につける
みたいに、複数のルートを考えてみる。
それぞれのメリット・デメリットを書き出してみると、どれが自分に合ってるか見えてくる。
志望校選びで重視するポイントは、「学べる内容」が5割を超え前年同様トップ。次いで「取れる資格」が42.8%と、前年2位の「学部名・学科」を上回る結果に
出典:マイナビ進学総合研究所「高校生の進路意識と進路選択に関する調査」2024年
実際、高校生が進路を選ぶ時に重視してるのは、「学べる内容」や「取れる資格」なんだって。つまり、「そこで何が学べるか」「将来どんなスキルが身につくか」を考えてる人が多いってこと。
お前も、それぞれの進路で「何が学べるか」「どんなスキルが身につくか」を比較してみよう。
「好き」を仕事にするって、結局どうなの?
ここまで読んで、「結局、好きなことを仕事にするのってどうなの?」って思ってるかもしれない。
俺の結論は、こうだ。
「好き」を追いかけることは、絶対に大事。でも、現実的な選択肢も持っておくこと。
好きなことを仕事にできれば、毎日が楽しくなるし、ストレスも減る。でも、好きなことだけで食っていけるかは別問題。
好きなことを仕事にすると、やりがいを感じやすくモチベーションを維持しやすくなります。
出典:好きなことを仕事にするには?メリット・デメリットも交えて解説 | CANVAS
これは本当にそう。俺も、今の仕事で「モノ作りに関わってる」って実感がある時は、やりがいを感じる。
でも、一方でこういうデメリットもある。
好きなものの種類や程度によりますが、仕事としてやってみると好きではなくなる可能性もあります。成果や報酬を生み出さなくてはビジネスとして成り立たないため、好きなことに金銭が絡み嫌いになってしまう人も多いのです。
出典:好きなことを仕事にするメリットとデメリットは?|転職成功ガイド|いい求人net
「好き」を仕事にすると、好きだったものが「義務」になって、嫌いになることもある。これは、俺の周りでも実際に起きてる。
だから、「好き」を仕事にするなら、その覚悟も必要なんだ。
今の時代、働き方は一つじゃない
でも、朗報もある。
今の時代、働き方は一つじゃない。
しかし、2024年についに”休みたっぷり派”が逆転し、ほぼ半々となりました。ここから、働くことよりも、プライベートを重視する人が増えてきていることがうかがえます
出典:「仕事が好き」は大幅減 最新調査で判明した「働く」意識の激変 | 日経クロストレンド
昔は「仕事が全て」みたいな価値観が強かったけど、今は「プライベートも大事にしたい」って考える人が増えてる。
つまり、「仕事=人生の全て」じゃなくていいってこと。
副業やパラレルキャリアっていう選択肢もある。まず安定した収入を得られる仕事に就いて、そこで生活の基盤を作りながら、趣味や副業で「好きなこと」を追求する。
これも、立派な「好きなことを仕事にする」方法の一つだと思う。
まとめ:17歳の君へ
最後に、17歳のお前に伝えたいことをまとめる。
「好き」を大切にしながらも、現実も見よう。
好きなことを追いかけるのは、素晴らしいことだ。でも、それだけじゃ食っていけないこともある。だから、「好き」と「得意」と「市場ニーズ」の3つを意識しながら、進路を考えてほしい。
選択肢は一つじゃない。変わってもいい。
俺みたいに、野球選手→戦車→トヨタ→河合楽器って、どんどん変わってもいい。むしろ、それが自然だ。「好き」の形は変わっていくものだし、最初に選んだ道が絶対じゃない。
今からできることをやってみよう。
「好き」を棚卸しして、「それを仕事にするなら」を想像して、複数の進路を比較検討してみる。それだけで、漠然とした不安は少し減るはずだ。
お前の人生は、まだまだこれから。焦らなくていい。少しずつ、自分の道を見つけていけばいい。
応援してる。


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